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そらごと

十二月がいちばんすき。月のなかでいちばん歌っぽい。たしかに冬で、気温は低くて、でもたとえば、「さむいね」「さむいね」って言い合ってにっこり笑えるようなけっして過酷ではないさむさ、さむさ、それはやわらかなひらがなで、寒さ、なんて漢字で書かなくてもいい、冷たい、なんて鋭い雰囲気をまとわせなくてもいい、優柔で曖昧なふゆがあって、息は白くなりはじめ、たまには雪も降ったり、でもそれはとてもめずらしくて、だから、つまり、厳しくない。イベントごとがたくさんあって、街は騒々しく、浮かれた空気、過剰なイルミネーション、絵空事のひかり。そしてそれらとはまったく無関係にひとりで歩くこともできる自由な。騒々しくて嘘っぽいきらきら、そのなかをひとりで歩いてもさみしくなくてとても自由、でいられるくらいのさむさで。物語みたいなきまりきった賑やかさで。十二月がいちばんすき。月のなかでいちばん嘘っぽい。

行ったライブ等の感想。長い。

20140212 凡庸な逆回転其の四十七〜ほぼネジ〜@チェルシーホテル
ネジはいつもライブぎりぎりまでチケットを買わない、あるいは当日券で行くのだけれど(平日なので行けるか行けないのかいつもよくわかんないのだ)、今回はチェルホだしほぼネジだしソールドしちゃいそうだなと思ってちゃんと発売日にチケットを買った。やっぱりソールドしたので忘れないで買っといてよかった。Kさんと一緒にフロアの後方でまったり観る。楽しかった。太朗さんがしきりに「バレンタイン意識してない」「バレンタイン意識してない」となにかのネタフリかのように繰り返し、最後に「バレンタイン……意識してます!」と高らかに叫んだのはソーキュートでした。なんも持ってかなかったんだけど、チョコ買ってけばよかったな、とまんまと思わされるあざとい可愛さ。チョコレイトディスコ、ほんとにカバーして歌えばいいのに!

20140216 UCHUSENTAI:NOIZ 「KING OF ONEMAN SHOW 2014 〜RIDE MY ROCKET !!!〜」@新横浜NEW SIDE BEACH!!
ノイズはなんだかんだで一年に一回くらいは観てるのかな。前回はちょっと変則のライブで変身はないし短いし、と不完全燃焼だった覚えがあるのだけれど、この日は楽しかった。あと一緒に行った友だちsがチョコくれて嬉しかった。わたしなにも持って行かなくてごめん……

20140217 シルク・ドゥ・ソレイユ「オーヴォ」@お台場ビッグトップ
いつか観たいなと思っていたシルクドソレイユ、友だちがチケット余ってるっていうから譲ってもらって一緒に行った。人体すげえ・・・と思った。バインバインしてた。人体すげえ。バッタだと信じていたものの正体がコオロギだったことに傷ついた。もうなにも信じられない。

20140217 TASTE OF MONEY@池袋手刀
秀二とアキラってひどいネタぶっこんでくるわねと思いながらニタニタ半笑いで行った。ナカヤマを眠らせてってなんだよ。
その実態はBOOWY周辺のコピーバンドで、わたしはBOOWY通ってないのでほとんど曲わかんなかったんだけど、楽しかった。中山さん襟足結んで半端に布袋コスしててかわいい。この日はツインギターで中山さんは下手にいたから手元はほとんど見えなかったんだけど、どれが彼の音なのかきちんとわかってよかった。わたしはこの時期、どうも有棘鉄線の音に慣れなくて、このまま彼のギターが苦手になってしまうんだろうか、というかほんとうに彼のギターがすきなんだろうか、ウォルナットがすきなだけなんじゃないだろうか、なんてアホなことをぐるぐる考えていたので、Plastic Treeというフィルタを介さない場所でフラットに聴く彼のギター、がカバーであるにも関わらずどこからどう聴いても彼の音で、そして、文句なしに大好きな音で、だからとても嬉しかった。
終演後に友だちとプロントでお酒のんでだべったのも楽しかった。

20140315 Alternative tokyo@studio coast
ピープル!向井!クラムボン!と前のめりで行ったイベント。超楽しかった!ピープルよくてテンションあがって、向井かっこよくてテンションあがって(ナンバガの曲もちょっとやってた)、そしてとどめのクラムボンがスーパーかっこよくてテンション打ちあがった。目当てのみっつのうちライブを観たことがなかったのがクラムボンで、彼らのライブ映像や音源は大好きでよく観るし聴くけど生はまだ一回も行ったことなくて、でも、録画された録音されたそれらがとにかくかっこよくていつか絶対にライブ行きたい、とずっとずっと思っていたバンドだったからやっと観られてしかもやっぱり最高にクールでファニーで、とにかく楽しかった。シカゴ踊っちゃうね!
最後に演奏されたナイトクルージング、素晴らしくて、魂ぬかれたみたいにしばらく呆然としてしまった。終演後にtwitterで、フィッシュマンズの佐藤さんの命日だからだね、という呟きを見かけてようやく、それに気がついた。美しかった。

20140318 Plastic Tree「echo」@SHIBUYA-AX
ぶっちゃけecho好きじゃないので大して期待せずに行ったら打ちのめされた。echo好きじゃないし、初日だし、と思ってたんだけど……本編ラストの影絵〜3月5日。の流れがやばかった。凄みがあって、こわくて、きれいで、呆然とするような。わたしの大好きな、突き放すような演奏で。3月5日。で後ろを向いたまま、一度も振り返らずに歌う竜太朗さんがこわかった。歌が終わってからも狂ったように鳴り続ける轟音だって。悲鳴みたいなギターと。地をのたうつようなベースと。鈍器でやさしく殴りつけるようなドラムと。
影絵、わたしアレンジがどうしてもイヤで、ほんっとなんだあのクソ安いピアノふざけんなよバンドか鍵盤のどっちかを捨てろよ半端なちゃちい安売りの量産曲みたいなアレンジしやがって、とにかくほんと好きじゃないんだけど、ライブで演奏されると(鍵盤ほとんど聴こえなくなるので)かっこよかったし、なにより、3月5日。との対比で、あのきれいでかなしい歌詞のまんなかにある虚無とか、そういったものが浮き彫りになって、こわかった。3月5日。と影絵は、雰囲気はずいぶんと違うけれど、ぜんぜん乖離した詞じゃない。ほとんど同じと言ってもいい。3月5日。のある場所を俯瞰する場所が影絵の視点で、つまりそれは自己の内部を俯瞰する第三者としての自己の視点だ。さまざまな演目が始まっては終わるサーカスのテントを、その視点はずっと眺め続けている。舞台装置としての自己と、登場人物であり通り過ぎるものとしての他者。閉ざされて限定された舞台で影絵となってぐるぐると通り過ぎてゆくものは、3月5日。であり、サーカスであり、パレードであり、これまで彼がずっとずっと書き続けてきた言葉たちであり、それらに惹かれてだらしなく群がる野生のけだもののようなわたしたちであり、たぶん彼自身でもあるんだろう。
とかそういう電波なことたくさん考えたよ。いやーいいライブでした。
しかしほんとに影絵のアレンジはどうかと思うんだ、ほんっとーに!ギターとピアノ、役割ぶつかりすぎでしょ。てふてふであれだけの音数を殺し合わせずに、何枚も何枚も薄く繊細なレイヤーを重ねて一枚の絵を作り上げた人の仕事だとは思えないよ。

20140322 ART SCHOOL「KINOSHITA NIGHT 2014」@SHIBUYA-AX
久しぶりに観たACIDMANがダサかった。音源聴いてそれなりに予想はしてたけどさー。
ピープルとアートは楽しかった。特にアートは、以前観たときよりも低音がグッとまとまっていて、巻き込んで引きずり込むようなグルーヴ感が気持ちよかった。好きな曲もたくさん聴けた!あとゲストコーラスで来てたユカリ・ヴァレンタインが声めっちゃ好みで、ウワー大好きってめっちゃテンション上がった。

20140323 後藤まりこと大森靖子@下北沢GARDEN
これは歴史に残る。残るべき。残さずにおけるか!もー最ッ高だった!!!
このライブの半年くらい前、まりこがtwitterで「対バンするなら誰がいい?」と訊いていたので「大森靖子さん!」と答えておいたのだけれど、同じ気持ちだった人やっぱりたくさんいたみたいで。リプの中で彼女の名前がいちばん多くあがって、それでまりこが直接大森さんにメールを送って、実現したみたい。そうだよね、どっちもすきっていう層、多いよね。入場のとき「お目当ては?」って訊かれて悩みに悩んで「まりこです」って答えたんだけど、あとでtwitter見てみたら「どっちも」という回答もありだったようで、ううむ……わたしもそう答えればよかった……。
対バンというか、共演というか、でもやっぱり対バンみたいな。とってもとっても特別な日だった。
前半大森さん、後半まりこ、みたいな感じじゃなくて、ふたりともおんなし時間におんなしステージの上にいた。まりこは上手、大森さんは下手。まりこは真っ赤なエレキギターを持って、大森さんはアコースティックギターを持ってキーボードを前にして。いきなりそこからふたりが同時に違う歌を歌い始めて、もう、ワーッ!てなった。鳥肌もの。違う歌だからコードもリズムもメロディもぜんぜん違うんだけど、それらが一緒になってぐっちゃぐちゃに混ざったときに生まれたものが不愉快な雑音じゃないんだ。心地よいノイズ、とかでもないの、とにかくポップで。なんであんなガチャガチャした音たちがポップでキャッチーに聴こえたんだろう?もちろんわたしは彼女たち二人がどちらも大好きだから、脳内でいろんな補正がかかってたのかもしれないけど……うーんこの日はちょっとテンション振り切れてたから冷静に音聴けてた自信はまったくないのだ……でもよかったよ、、
あのね、あの真っ赤なギターをかき鳴らしながら歌うまりこを見るのね、わたしミドリ解散以来初めてだったんだよ。わたしが見てきたなかで、これまで彼女は、ソロでエレキギターを握ることはなかったんだ。ぜんぶ見てるわけじゃないから、もしかしたらあったのかもしらんけども。
一緒にぐちゃぐちゃの演奏をしたあとは、一曲ずつ交互に歌って。相手が歌ってるときに合いの手?コーラス?を入れてみたりして、あるいは邪魔してやるみたいな感じもあったりして、でもそれがとってもよかった。合間合間にちょろちょろ喋るんだけど、なにしろ大森さんとまりこだからどこまで本当なのかはいまひとつあやしくて。でもおもしろかった。まりこがtwitterに電話番号を晒していた時期に大森さんがかけてみたら繋がって、彼氏と別れてかなしいつらいって延々と訴え続けたらまりこに「ハッピーセット買いー」と言われた、という話がめっちゃおもしろかった。あとはまりこがガールズバンド組もうと思ってメンバー探してたら応募メールに「栗が好きです」とだけ書いてきた子がいてそれが大森さんだったとか、そのバンドは何回かスタジオに入っただけで自然消滅したとか。まりこは「キーボードだと思っとったからギター弾けるの知らんかったよ」って言ってた。
なんかもーこのライブに関してはなんもうまいこと言えない。ただただ楽しくて、素晴らしくて、楽しかった。いいもん見せてもらいました、ありがとう。
ちなみにこのライブはもともと桜井さんと行く予定だったんだけど、桜井さんが諸事情により開場までにライブハウスに来れないという事態になり、わたしはチケットをほかのひとに譲ったのでした。ゴメンね番号よかったから開場でちゃんと入りたかったんや……ぶじまりこ最前で見られてとても幸せでした……もっと早く言ってくれたらチケット前もって送るとかできたんだからね!バカ!

20140327 珍しいキノコ舞踊団「金色時間、フェスティバルの最中。」@世田谷パブリックシアター
コンテンポラリー卒業、とふしぎな枕詞がついていたので、どういうことかしらんと思いながら見に行った。で、実際に見てみて、コンテンポラリー卒業とは「難解さを排除する試み」なんだろうなあ、とおもいました。そしてそれは成功していたようにおもいます。とにかくポップ、そしてエンタテイメントとしてレベルの高い公演でした。
わたしは「そのメディア、そのジャンルでしかできない表現」というものがとてもすきで、たとえば小説なら小説というジャンルでしかできないことをしているものがすきだし、アニメーションならアニメーションというジャンルでしかできないことをしているものがすきで。でね、ダンスって言うまでもなく肉体的な営みであるから、肉体でしか表現できないことをしているものがすきなのだけれど、それにひたすら特化してゆくと肉体が肉体でしかできないことのみを追求してゆくがゆえに見ている人間は精神的な営みに終始し取り残される、という現象が往々にして起こりがち(ちょっとなにを言っているのかよくわからないと思うけれどこれはそのうちちゃんと書くよ……とりあえず読み流してよ……)なのだけれど、この公演は肉体が肉体でしかできないことを演じているにも関わらず、相手を賢者タイムに陥らせるような間を与えない、非常に動的な作品でした。とにかくおもしろかったんだよねー。ステージでたべものを貪るっていうのはとってもいいよ。たべるっていうのは肉体にしかできないことだからね。でもそこから笑いを作るのであれば、それは精神に干渉する領域だし。そのバランスがとてもよかったんだ。おもしろかった。楽しけりゃいいじゃん、ていうあっけらかんとした気楽さが心地よかった、楽しかったな。

20140329 Plastic Tree「echo」@金沢EIGHT HALL
ひさしぶりのぼっちでない遠征でとても楽しかった。演奏も非常によかった。このツアー中わたしが行ったものの中では、金沢がベストアクトだったと思います。

20140419 Plastic Tree「echo」@小樽GOLD STONE
微妙でした。小樽はよい街で、小樽ゴールドストーンもよいライブハウスで、また行きたいなあと思わせてくれる箱でした。でも演奏が最初微妙だった。固すぎ。中山さん緊張してるんか……やめて……こっちも緊張してくるおなか痛い……。途中からいい感じにほぐれてきて、そこからは楽しかったよ。バンビよかったなって印象に残ってる。アウトロでちょっとセッションしたやつ。
ライブ後にごはんたべようと思って街をさまよっていたらタクシーの運ちゃんに声をかけられて、ヤベーカモ観光客だと思われたよと警戒していたらなんだかとっても気のいいおっちゃんで、「どっからきたの」「横浜です」「まじで!ぼくもむかし横浜いてな」みたいな感じで盛り上がり、ひとりで飲めるおいしいとこないですかと言ったら無料で居酒屋まで運んでくれてそしてそのお店の名前はなんと「海月」でした、というライブ後の思い出がライブの思い出よりも強く残っております。海月、おいしかったよ。しかも安かったよ。ひとりで閉店まで居座ったわたしに優しくしてくれてありがとう。小樽にライブ遠征するバンギャルちゃんたちにマジおすすめ。アワビの刺身と地獄焼きセット(一匹ずつ)で1,500円で食べられるぞ。
そうそう、このツアーは各地でその土地その日でしか演奏しない限定曲、というものをやっていたのだけれど、小樽は「リラの樹」で。次の日の釧路(※わたしが追いかけ回している中山さんの出身地、というのは実際ちょっと語弊があるのだけれどまあ出身地付近)の限定曲なにかな、ライラック(※中山さんが初めて作詞作曲両方を担当した楽曲)かな、でも中山さんは中山さんだからないかな(※面倒くさい人なので故郷で自分にとって故郷と深く結びついている思い出深い曲を演奏するなんてことはしなさそう)と思っていたものの小樽でリラの樹をやるとは!これは釧路でライラックをやるという布石(※ライラックはリラの樹のアンサーソング的なことを中山さんは言っている)でしょう!とわたしはたいへん盛り上がりました。ライラック大好きだからいつだって聴きたいのよ。その結果どうなったかは、次号、震えて待て。

20140420 Plastic Tree「echo」@釧路club green

限定曲バリアだった。

……というのはとりあえずおいといてね、バリアもすきだから嬉しかったしね……我々の予想するものをことごとくぶっちぎっていってくれるからこその中山さんですよ……知ってた……。真面目なことを言えば、自分がぜんぶ手がけた曲じゃなくてバンドで作った曲(バリアは作詞が有村さん)を持ってくるあたりが中山さんだなと。自分ひとりじゃなくてバンドだよ、ていうのを大切にしている人だから、そういうところがらしいなと思ってグッときました。あとよっぽど学生時代つらかったのかなとおもった……。
面倒くさいひとのファンは面倒くさいということで許してほしいんだけど、中山さんて故郷を語るときにこれまでポジティブな言葉を出したことが一度たりともなくって、だから今回のライブもいろんな気持ちがあるんだろうな、二十年の活動の中で初めてだしな、嬉しいとか楽しみとかだけじゃないんだろうな、だからこそできうる限りフラットな精神状態で臨んでほしいとおもうけれどどう考えても地元民よりも大挙して遠征してきているアキラ海月の方が多いであろうこの状況、変なプレッシャーとかになってないだろうかこんな風に特別だ特別だって騒ぎながら観に行くの迷惑なんじゃなかろうか浮かれて無神経にワーキャー騒いだけどそれは悪いことだったのではなかろうかだって小樽前半戦ぜったい緊張してたよいつもより固かったよ、、とかグダグダ考えていたら前日の深夜小樽のホテルでおなかいたくなってぜんぜん眠れなくて体調微妙な状態で釧路に着いたんですけどそんなんどーでもよくなるくらいよいライブでした……。一秒たりとも冷静でいられなかったので細かいことなーんも覚えてないんだけど、セットリストがとかアレンジがとか演奏がとか音響がとか、そんなんぜんぶどーでもよくて、とにかくただひたすらに楽しくて幸せで感無量なライブでしたマジで。アキラさん生まれてきてくれてありがとうギター弾き続けてくれてありがとうそこに存在してくれてありがとうエーンというテンションのまま始まりそして終わった……もう悔いはないよ……。
次の日は阿寒に行ってまりもまりもしました。阿寒湖はなかさまのように美しかったです。

20140502 Plastic Tree「echo」@TOKYO DOME CITY HALL
音響がカスで悲しかった。PAさん変わったからかな。
雨二唄エバと3月5日。聴けたことが嬉しかった。あと中山さんご機嫌でよく動いていて嬉しかった。雨音瞳孔あバンギャルどナショナルキッドがウォルナット、他は有棘鉄線だった、とメモに書いてある。ふむ。
ご当地は割れた窓。

20140503 Plastic Tree「echo」@TOKYO DOME CITY HALL
あたたかな気持ちで迎えられたツアーファイナルだった。よかったよ。ご当地はガーベラ。大好きな曲なので嬉しかった。あとこの日の輪舞は完璧だった。いままで聴いた中でいちばんよい演奏。
貝波さんと一緒に行ったので、終演後にワイン飲んでだらっとしてから帰った。楽しかった。

20140515 -BODY- @O-EAST
ノベンバとリリーズが観たくて行ってノベンバとリリーズがよかった。ノベンバはこれまで観た中でいちばんよかったとおもう。リリーズはまだ二回目だけど、演奏に安定感があって、でも勢いがあって、やっぱり大好きだな。それぞれこのイベントに対する想いを語っていたのだけれど、そのMCもよかった。

20140511 スガダイロートリオ@ムジカーザ
ジャズライブ+日本酒飲み放題!という愉快なイベント。気持ちよかったしお酒もおいしかったししあわせ!こういうの楽しいな。ふだんはジャズ聴かないよって友だちを連れて行ったんだけど、ジャズいいね、聴いてて楽しい!って言ってくれたからわたしも楽しい!

20140517 ROVO「MDT FESTIVAL 2014」@日比谷野外大音楽堂
お酒のみながら初夏の野音で気持ちのいい音楽ってサイコー!来年もぜったいに行くぞ。
柴崎友香の「主題歌」を読んでからずっと観たかったROVOのライブ、初めて観られてとっても嬉しかったしあの文章の通り宇宙に行けちゃう感じ、気持ちよくて、もうたまらんかった。あとね、終演後にこの日のライブを即SDカードで販売するっていうのやってて、買ったのね、これめっちゃいいから他のバンドでもぜひやってほしい。

20140524 コンドルズ「ひまわり」@さいたま芸術劇場大ホール
ひさしぶりのコンドルズでそれなりに楽しんだとはおもうのだけれどわりと印象薄め。もっとガツンと踊りにびっくりしたり引き込まれたりしたいので、コント多めのコンドルズよりもソロとかダンスメインのチーム観に行った方がいいかな〜とおもった。欠員があったのもでかかったかな。

20140525 COALTAR OF THE DEEPERS「VISITORS Team」@新宿LOFT
楽しかった。轟音サイコー。
また面倒くさいこと言うけど中山さんいると中山さんに集中してしまうので中山さんいないときの方が純粋にディーパーズ楽しめる気がするんだ……決して中山さんがいない方がいいとかそういうわけではなく!いてほしいの!だいすきなんだ!でもそれとは別にね!ごめんね拗らせていてね!わたしはギタリストとしてのナッキーをあんまりわかっていないので、今日はナッキーに集中して観るぞ〜と思ってたんだけど轟音すぎてなにがなにやらわからないままハイになってひたすら踊って過ごしました……。楽しかった。

20140527 後藤まりこ「510mariko Party@SHIBUYA-AX」@SHIBUYA-AX
まりこAXなんてぜったい埋まらないやろまじでワンマンとか本気かよ正気かよだいじょうぶかよ、、って発表時からずっとずっと心配していて気が気じゃなかったのだけれど、蓋を開けたらお客さんいっぱいいた!自分のことみたいにめっちゃ嬉しかった!
ライブやニコ生連日やって自分の足つかってプロモーションしてチケット売って、それがこんな、ちゃんと結果になるなんて、なんかもう感動的だな〜と。
わたしは音楽は音楽として楽しみたいと思っていて、ただそこで鳴っている音を音として受け取るってだけじゃなくて、そこに至るまでのストーリーとか、アーティストの人間性とか、そういったものを下地・前提としたパフォーマンスって嫌いなのね。音楽だけじゃなくて物語を売る、消費させる、っていう形のライブが大嫌い。それはね、観せる側と観る側の「物語」に対する熱量が釣り合わないと内輪受けのシラケたライブになっちゃうからで、「すごく好きなわけじゃないけどちょっと観てみたいな」っていう人を弾いてしまう、狭量な身内ノリを作ってしまいがちだからなの。でもこの日はよかった。この日は音楽もよかったけど物語として美しかったという側面がかなり大きくて、そういったもの、すきじゃないはずなのに、でもこの日はよかった。それは単にわたしがまりこに思い入れがあるっていうのもそうだと思うけど(そしてわたしはアーティストに対して思い入れを持つことによってそのアーティストの音楽を純粋に楽しめなくなることがいつだってこわい、アーティスト本人に対しても失礼だと思うから、本当は誰にだって入れ込みたくない)このとき生じていた物語は、知らない外部のひとたちを引きずり込む、巻き込む、という開かれたものだったからだと思う。
彼女はさいきん新譜を出して、そこで自分のことを「現象」と呼んでいる。ほんとうにそうだな、と思う。この日のライブは現象、後藤まりこ現象、だったんだと思う。
アンコールでだいすきな曲をぜんぶやった。ゆうびんやさん、ドローン、うーちゃん。演奏がしっちゃかめっちゃかになる、ぐちゃぐちゃでかっこいい、ライブならではの音が聴ける楽曲たち。瞬間にしか存在しないたからもの、素晴らしかった。
まりこ、最後の最後でダイブして観客の上を泳いで下手の後方まで来て、PA卓に仁王立ちで、ハードコアライフを歌った。みんなが、フロアみんながじっと見つめるなか、まっすぐに立ってアカペラで歌った。最後の声が空間に溶けて消えちゃうまで、まったくの無音になるその瞬間まで、目を逸らすことなんてできなかった。
最後のAXがまりこでよかった。

20140529 SAYONARA 国立競技場 FINAL WEEK JAPAN NIGHT@国立競技場
マンウィズ間に合わなかった……。かなしみ。世界の終わりは間に合ったんだけどどうでもよかったからろくに観てない。ちょろっと聴いた限りでは音源との差違がさほど感じられない退屈な演奏だったので、ライブで観る意味ないなーと思ったくらい。
目当てだったPerfumeは一曲目がまさかのedgeでテンションぶち上がった。あとね演出が素晴らしかった。入り口でペンライト配られたんだけど、それが遠隔制御されていて、曲に合わせていろんな色でついたり消えたりするの。国立競技場という場所が一枚の絵になったみたいで、みとれちゃったなあ。
トリがラルクだったんだけど、途中で帰った。わたし中学生くらいの頃はラルク一生懸命聴いていたから初めて観られることが嬉しくて楽しみにしていたのだけれど、クソみたいな演奏で、かなしかった。誰からもプレイヤーとしての魅力を感じられなくって、がっかりしてしまった。ペンライトの演出はラルクでもあったのだけれど、Perfumeのときとクオリティが違いすぎてそこもしょぼかったな。花火上がったりしてたんだけど、花火観たいなら花火大会行くし、そんなんどーでもいいよ。音楽がクソならどれだけ金かけたライブでもクソだよ。音源のユッキーのドラム大好きだから楽しみにしてたのになあ。音響ちゃんとしたところで聴いたら違うのかな。

20140705 bulb「魔女の宴」@チェルシーホテル
シラタマさんが魔女帽子かぶってて可愛かった!あんまり細かいこと覚えてないんだけど、楽しかったな。レコ発ライブでCD買ったら終演後にサイン貰えたんだけど、対面イベント苦手すぎてライブ終わったらそのままおとなしく帰った……。いつか挙動不審にならずにサインもらったり握手してもらったりできるようになりたい……。

20140716 CQ@高円寺high
ササブチの新しいバンドを観に行った。系統としてはわかりやすいシューゲイザーバンドで、酒でやりたかったことの続きって考えてもあんまし問題なさそうだなーと思った。前よりもやわらかい音を叩くようになったなあ。やっぱりぶちおのドラム大好きだな。

20140721 The Birthday「COME TOGETHER TOUR 2014」@Zepp Tokyo
友だちに連れられて行ってきた。わたしゼップ系列のライブハウス嫌いで、理由は音響が嫌いだからなんだけど、このライブはめっちゃかっこよくてびっくりした。ガツンと太い音だとこんなにハマるのか、ゼップの印象ちょっとよくなったよ。思わず踊っちゃうような、体を揺さぶるリズムが気持ちいい。
唯一かなしかったのが、後ろにいる男の人がライブ中ずーっと大声で歌ってるもんだから途中で逃げ出さザルを得なかったことかな……。わたしはチバの歌を聴きにきているのであって、おまえのカラオケを聴きにきたわけではないんですけど!なぜ歌う。

20140917 Plastic Tree「そしてパレードは続く」@HEAVEN'S ROCK 新都心
ツアー前半クオリティで演奏ガタガタ、音響も最悪、ギターほとんど聴こえない、セットリスト気に入らない、というわけでイライラしながら観てイライラしながら帰りました。客のマナーも最悪。もう二度と埼玉行かねえ。
エーテルも睡眠薬もリコールもなしかよ!

20141004 Plastic Tree「そしてパレードは続く」@市川文化会館大ホール
この日はいいライブでした。演奏よかったし、視覚的な演出もよかったし。リコールやってくれたのも嬉しかった。でもそこまで楽しめなかった。これはライブのクオリティとかじゃなくて、単純にわたしの好みの問題。

20141011 Plastic Tree「そしてパレードは続く」@仙台Rensa
めっちゃ楽しかった!躍動感と遊び心に溢れた演奏、これこそライブだよ!という気持ちになって大満足。特にドラムがめっちゃよかった!わたしがずっとずっと聴きたいと願っていたものを、この日聴くことができて、本当に嬉しかった。けんちゃん本当に今までのプラを、その歩みをたいせつにしてくれてるけど、嬉しいんだけど、でもたいせつに守るだけじゃなくてもっともっと「俺の音を聴け!」みたいなドラムが聴きたかったの。そういう意味において、この日は本当に素晴らしかった。ドラムがぐいぐい演奏を引っ張っていって、ギターもベースもアドリブ多くて、めいっぱい遊ぶぞ、楽しむぞ!ていう心底気持ちのいい音!
そんでサイコーだった素晴らしかった来てよかった!と感激しながら帰りの新幹線に乗って開いたケータイで見つけた大正谷のクソ野郎の発言にブチ切れてその高揚したきもちはすぐに萎えたんだけどな。もうあいつマジでいい加減にしろよ。いまのプラが好きっていう気持ちとは別にわたしがずっとずっと忘れないで大切にしていくだろうササブチ時代のプラの音、その大切な記憶、それにあいつは泥を塗りやがったんだ。クソ寄生虫が。

20141018 MY little HEARTS Special Edition Vol.6@Zepp Tokyo
プラ観に行ったんだけどまあツアー中のイベントだよねってセトリと音でした……。

20141019 Plasticc Tree「そしてパレードは続く」@渋谷公会堂
素晴らしいライブ。演奏も演出もなにもかもすべて、ひとつの作品として極めて完成度の高いライブでした。DVDになるんだって、嬉しい。あの演奏を残してくれるんだ。本当に嬉しい。
中山さんの「おもしろい人じゃなくてギターがすごいだけの人になりたい」という発言に「おお〜自分でギターすごいって言った、今日はのってるな〜」とご機嫌になった。自分で納得のいく音だったんだろうなって。もちろんフロアで聴いていても、抜群に恰好いい音でした。

20141121 凡庸な逆回転其の五十〜全部ネジ〜@O-EAST
ちょう久しぶりの全部ネジ、楽しかったな〜。あ、オナンちゃんはいたよ。演奏聴きながら、やっぱりネジすきだな、この人たちのアレンジや演奏だいすきだな、と思う。ネジアレンジ、ほんとかっこいいよ。
新曲(カバーだけど)はGET WILDでした。ネジはイントロではその曲がなんなのかわからないアレンジが多いのだけれど、これは一発でわかる仕様になっていて、イントロ聴いた瞬間にテンション上がりました。楽しいよー。

20141122 COALTAR OF THE DEEPERS@代官山unit
聴きたい曲たくさんやってくれて嬉しかった!お友だちのご好意でけっこう前で観ることができたので指とか足とかガン見できて大満足、ありがとうございました。
全力で踊ってご機嫌になって帰宅。いや楽しかった。

20141127 轟音の宴@高円寺high
またササブチ観に行ったんだけど、初めてのときと比べてそれなりに冷静に聴いてみて、弦楽器隊がしょーもねーなーと頭を抱える。酒は五味さんいたからな。あとササブチのドラムも以前と比べて音色がやわらかくなってるんだけど、曲に合わせて意図的にやっているのではなく単にひよったのでは?みたいな印象を受けたので満足度は低いライブでした。

20141214 Face to battle 2014@高田馬場club PHASE
この日もササブチ。CQでもやっとしていたので、この日はカッコイイドラム聴けて嬉しかった。ソリッドでラウドでよい音でした。あと村井さんが死ぬほどかっこよかった……。一曲目がインストだったんだけど、それが抜群にかっこよくて、気持ちよくって。その後歌が入ってからもよかったよ。

20121218 チェルフィッチュ「スーパープレミアムソフトWバニラリッチ」@KATT
めっちゃ面白かった!まじめなことも言おうと思えば言える内容なんだけどでもそんなんどーでもいいな、ただひたすらに面白かったな、コミカルでサイコーでした。

20141222 風、吹き荒れて飛ばされて、そして戻されて@チェルシーホテル
大中四年ぶりだ〜!そして対バンがKAGEROだ〜!大喜び。
KAGEROすごい久しぶりに観たんだけど相変わらずかっこよくて、ちょう楽しかった。インストなのに抜群にポップだし、演奏時の緊張感やわくわく感がたまんない。今度はそんなに間を空けずに観に行きたいな。
大中は四年ぶりなんだね〜って感じの演奏だったんだけど、それよりも、よはんさんがお歌をお歌いになられたという大事件でいっぱいいっぱいでした。歌はまあ下手だったのでボーカル見つけてくるなりもっとがっつりエフェクトかけるなりした方がええんとちゃうのとは思うんだけど、いやでもしかし可愛くて可愛くて可愛くて……震えた……。

20121227 Plastic Tree「2014年末公演ゆくプラくるプラ〜20周年送別會 音楽の夕べ 第一夜〜千プラの調べ」@TDC HALL
観客を舐めきった内輪向けイベント。こういうことするなら事前にアナウンスしてくれるかな、そしたら行かないから。楽しめる人だけで楽しんで。
ライブ観に行ったのに、音楽を聴きに行ったのに、見せられたのはグダグダのだべりとしまりのない演奏とくだらない宴会芸。ああそうそれで喜ぶと思われてんのね。自分らの客は音楽なんか聴いてない、興味ない、そう言ってんのね。足下見るのも大概にしろよ。
最初はどう受け止めていいのかわからなくて終演後に会ったひとたちと「なんだったんだろう」と言い合ってから帰宅したんだけど、その過程でだんだん腹立ってきて、今では激おこ状態に。こんなライブもう二度とやんないでほしい。わたしの認識する「年末公演の緩さ」っていうのは28日のアンコールのMCとか、思いつきの乾杯とか、毎年恒例の映像作品とか、ああいった「緩さ」であって、この日みたいに音楽蔑ろにしてそれ以外のパフォーマンスすることじゃないよ。

20121227 Plastic Tree「2014年末公演ゆくプラくるプラ〜20周年送別會 音楽の夕べ 第二夜〜海月の調べ」@TDC HALL
いいライブでした。
この日はリクエストライブ。リクエストした三曲のうち二曲を聴くことができた。リクエストしたのはロムとクローサーとケージでした。クローサー、聴きたくてリクエストしたんだけど、実際に聴くとかなりダメージがでかかった……でも聴けて嬉しかった……でもつらい……でも聴けて……。
ベストテン形式でスクリーンに楽曲が発表されるんだけど、曲名が表示されるごとにざわめきや悲鳴の漏れるフロアを完全無視して、終始淡々と楽曲が演奏されました。リクエストということで、やっぱりメインは近年ライブで演奏していない曲たちばかり。どの曲も聴けて嬉しい曲ばかりだった。ずっと聴きたかったのに聴けなかった曲たちを、いい演奏で聴けて嬉しかった。
ベストテンのあとは最近の曲を主軸にしたセットリストで、そっちもよかったな。ギターが最初から最後までぶっ通しで抜群にかっこよくて、ねえ聴いた?ねえねえ聴いた?!いまのギター聴いた?!?!このひとわたしの好きなギタリスト!!!世界でいちばん好きなギタリストー!!!!!ってところかまわず叫びたい気持ちでいっぱいでした……。あとねパノラマと雨音と影絵のドラムがめっちゃグッときたよ。
いいライブ納めでした。
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よしなしごと

行ったライブ・舞台の記録。

■20131102 Plastic Tree@かえで祭
女子大の学園祭。曲数は少なかったけれどすごくよかった。どうせ学園祭でしょ、という軽い気持ちで行ったら、会場の体育館にはきちんとステージを作ってあって、入口やチケットも凝っていて、誘導も丁寧で、びっくりした。セットリストもよくて。学校の体育館で聴く「藍より青く」は、かっこよくて愛しくて、ちょっと泣けた。
運営委員の方々に感謝した日でした。いいライブをありがとう。

■20131122 TAD6 birthday party!!!!!@チェルシーホテル
観たいなと思いつつ行けていなかったbulbに初めて行った。とても楽しかった。ちょっと前に理論の意味のわからないツインドラムを観たばかりだったので、きちんと意味があってかっこいいツインドラムを観られたことが嬉しかった。シラタマさんはモデルさんだけあってすごく顔がちっちゃくて可愛い。声は想像していたよりも低くてかっこいい。対盤も含めて、なにが好きなの?とか、どういう理想を持っているの?とか、どういう表現をしたいの?とか、そういったものが明確で統一感があって、面白かった。あと正くんの衣装がエロかった。お誕生日おめでとうございます。これからも少年とおじいちゃんの間を揺れ動く、タフで素敵なベーシストでいて下さい。

■20131123 COALTAR OF THE DEEPERS@代官山unit
開場時間を間違えたのでギリギリについて、後方で観た。すごくかっこよかった。COTDは、もうイタいのを自覚しながら言いますが五年くらい前に一回観に行って、すごく楽しかったしすごく気持ちよかったしすごく好みだったんだけどあまりにも中山さんが楽しそうだったのでそれがつらくて観に行けないままでいたのでした。あの頃の中山さんは、プラだといつもつまらなそうだったので、そんなにそっちがいいの、みたいになって。イタいのは自覚している。
ここ最近のプライブはそんなこともなくなってきたので、じゃあ行ってみようかな、と思って行ってきました。心から楽しめた。ステージはあんまり見えなかったのだけれど、そんなことぜんぜん気にならない。気持ちよかった。

■20131223 チェルフィッチュ「地面と床」@KATT芸術劇場
面白かった。チェルフィッチュはすごく面白いけれどとても眠くなる、という印象を持っていたのだけれど、これは眠くならなくて、つまり隙間が少なかった。それがいいことかわるいことかなんてわからないけれど、ポップでわかりやすくなっているなあと思った。わたしはポップなものがとても好きなので、楽しめた。
かなり直接的に社会的なメッセージが織り込まれている作品で、わたしはそういった社会的な主張の込められた作品が苦手なタイプなので、どうかな、と思ったのだけれど、ぜんぜん気にならなかった。気にならなかったことに、自分でほっとした。あとでどうしてかなあと考えてみたのだけれど、たぶん、チェルフィッチュには回答がないからだろうな、ということに落ち着きました。彼らは問いを投げかけるけれど、答えを押し付けることはしない。舞台上にはいろんな立場や考え方の人間がいるけれど、そのどれもが最終的に正しいとか、これが回答ですこれがこの舞台の伝えたい意味です、みたいにはならない。そういった余白がわたし、好きなんだと思う。で、ポップになったっていうのは、その余白の度合いが以前より減ったっていう意味なんじゃないかな。わたしはこれくらいの割合が好き。でも人によって、それはきっと違うんだろう。

■20131227 Oncenth Trio@新宿PIT INN
ずっと観に行きたいなあと思っていてやっと観に行けた。岩見さんがリーダーをしているピアノトリオ。
楽しかったし、聴いていて気持ちのよい曲もいくつかあったのだけれど、ただ演奏という面だけでみたら岩見さんが参加している他のバンドよりもちょっと力が下かな、と思いました。技量とかじゃなくて、曲自体がアバンギャルドだからうまく噛み合ないところが多いというか。でもそのドキドキ感が楽しいんだよね。
ドラムの池澤さんの曲がわたしすごく好きだなあと思った。あと、わたしプレイヤーとしての岩見さんがとても好きでどこへだって観に行きたいと思っているけれど、コンポーザーとしてはそこまででもないかなあ、と。ピアノの栗田さんは、ちょっと好みからずれていました。でも三人が、楽しそうにそれぞれのタイミングをはかりながら音を出している雰囲気はとても好き。ピットインの昼の部ならお酒を飲みながらまったり観られるので、また観たいなあと思いました。

■20131227 Plastic Tree@TDCホール
あきらあああああああああああああああああああああああああ(叫びながら死亡)

■20131228 Plastic Tree@TDCホール
昨晩一度死んだのですがなんとかよみがえって二日目も行ってきました。なかちゃん…。
曲や演奏についていろいろ思ったこと(よい感想です)があるはずなのですがだいたい全部忘れました。映像のインパクトが強すぎる。石丸石丸石丸!酔っぱらい弁護士!けしからん!もっとやれ!(バンッ)
アキラ海月が昇天した二日間でした。でも海月は昇天してもすぐによみがえるのでぜひまたやってください。きちんと本編をやってください。酔っぱらい弁護士をやってください。やってください!とりえあず今回はありがとう!!ほんとうにありがとうございました!!!早くソフト化してください受注生産でもいいです言い値で買います万超えてもいいから!!!!売ってくださいお願いします!!!!!(土下座)
理科室うれしかったです(こっそり)

■20131230 COALTAR OF THE DEEPERS「みそかlive vol.6」@手刀
楽しかった。こんなギチギチの手刀初めて来た。前列にいたのでもみくちゃになったけどすごく楽しかったからいいや。こんなにギチギチになるライブ、ここ最近来ていなかったので、あーライブってこんな感じだよねって思って楽しかった。文句なしのライブ納めでした。聴きたかった曲たくさん聴けて嬉しかった。

■20140104 TOKYO MOSH PIT vol.2@SHIBUYA AX
リンチとノイズ観に行った。リンチ微妙だった。わたし最近の曲、もしかして好きじゃないのかな。上がりかけなのかもしれない。ノイズは久しぶりに観られてよかった、楽しかった。二番目のバンドは煙草休憩、三番目のバンドはそれなりにのりつつ楽しめて、五番目のバンドもそれなりにのりつつ楽しめた。友だちとあーだこーだいいながらいろんなバンドを観られて、けっこう面白かったです。

■20140105 後藤まりこ@LIQUIDROOM
よかった。最初の方は「ん〜微妙…」と思っていたのだけれど、浮かれちゃって〜あたりからすごく楽しくなってきて、ドローンでもう最高潮に盛り上がって、すっごく気持ちよかった。この「最初はポップすぎて戸惑ったけれど途中からどんどん楽しくなってきた!」という印象はわたしがまりこのソロを初めて観たとき(ロフトのイベントだった)とまったく同じもので、だから少し懐かしんだり。同時に、わたしは現在のライブ編成よりも以前の編成の方が好きなんだなということを思い知った日でもありました。現在の編成の方がクール、抑制されている、大人。でもわたしは以前の、みんながみんな、隙をついて前へ行こう前へ行こうとしている感じが好きだったから。ドローンはまさかのピアノ4人編成という馬鹿みたいなことになっていて、凄まじくうるさくて、がっちゃんがっちゃんで、でもそれが最高に気持ちよかった。わたしはまりこのシンプルなロックはあんまり好きじゃないんだな、あのドローンみたいな、自由度の高い音が好きなんだと思った。彼女の音楽は、誰がどんな風にしっちゃかめっちゃかにやっても、それが結局後藤まりこだよ、ってところが魅力なんだと思う。
これから彼女のライブがどのように変化していくのかはわからないけれど、とにかくこの日のドローンは現状最高のものを見させてもらったな、この一曲のためだけでも行った価値があった、と思いました。
ああ、あとひとつ、ダイブについて。この日も彼女は何度も何度もダイブして、客に脚を任せて歌っていた。彼女がしたくてしているのならば構わないけれど、これがもし「パフォーマンスが売りだから」という理由でなされていることだとしたら、もうそんなことはしなくてもいいと思った。彼女は、彼女の音楽は、もうそこを支えにしなくても生きていけるだけの強度を備えていると思う。

20140111 people in the box「空から降ってくるvol.6」@ZEPP DIVERCITY TOKYO
ゼップ東京とゼップダイバーシティ東京が違うということを初めて知りました。わたしてっきり、ずっとてっきり、以前のゼップ東京の名前が変わってゼップダイバーシティ東京になったんだと思っていた、ずっと思っていた…。行く途中にtwitterでフォロワーさんが指摘してくれなければ、わたしはゼップ東京まで行って「あれ?」ってなっていたと思う。なんでこんな至近距離にゼップふたつもつくるの…。
vol.5がものすごくよかったのでかなり期待値の高い状態で行ったのがよくなかったのかもしれないけれど、あまり楽しめなかった。わたしがゼップ嫌いなのもあると思う。ただ、音のずれがどうしてもずっと気になって、車酔いみたいな感覚になって、ずっと座って聴いていた。おそらくわたしは、サポートギターがいた方が好きだし、アコースティックの揺らぎのある音作りの方が好きなんだと思う。本来の三人だけで作るピープルは、タイトなのにシビアじゃなかった。まだ二回しか見ていないバンドだからこれから印象が変わるかもしれないけれど、とりあえずはそんな感想。次の東京に行ってみて、同じ感想を持ったら、劇場版に狙いを絞って観に行くようにしたいです。

20140124 Plastic Tree FC限定@下北沢GARDEN
佐藤さんプロデュースライブ。
メンバーの立ち位置がこの日は違って、ドラムが上手前方にどーんとあって、正くんと明さんは上手下手が逆になっていました。マックやアンプから明が下手だと判断して下手に群がる明海月たち。わたしも下手に行きました。
客電が消えてフロアが暗くなった瞬間に、凄まじい押し。なにこれ。そのあとに佐藤さんの諸注意アナウンスがあって、「押しなどの危ない行為はおやめください」的なことを言われた瞬間に会場は苦笑い。もう起こっちゃったね。最近は本当に客電消えた瞬間の押しがひどくて、たぶんわたしこの瞬間に、けっこうテンション下がっちゃってたと思う。
全体的に、しっちゃかめっちゃかのぐっだぐだだった。あまりにぐだぐだ過ぎて演奏まじめに聴けなかった。すごく雰囲気がよくて和むは和んだんだけど、別に和みたくてライブに行っているわけではないので、けっこうがっかりした部分が大きかったです。いろいろ面白いところあったんだけどな。FCライブだから客に甘えるようなライブでもまあいいかなと思うけれど、もしこれがFCライブじゃなかったらわたし途中で頭にきて帰っていたと思う。本当の嘘とか、嬉しかったんだけど。

20140125 サディスティック・アラセ・ナイト-vol.3@横浜CLUB SENSATION
昨日のライブがあまりにも物足りなかったので、急遽ぶっちを観に行くことにしました。せっかく横浜に来てくれるんだし。結果としては、観に行ってすごくよかった。空気読まずに馬鹿みたいにがんがん叩きまくるの、めちゃめちゃ楽しかった。ほんっとぶちおKYだな、でも楽しいな、最高に気持ちいいな、踊っちゃうな!と思いながら見ていました。
ぶっちって、右側のシンバルなりタムなりを叩いたあとに左側のシンバルを叩くときの手が、ふつうの人だったら弧を描くような軌跡になるのに、彼の場合ものすごく直線的な軌跡になるんだよね。それが特徴的で、いつ見ても、「あっぶっちだ」ってわかる。彼のドラムセットじゃなくても、どんな格好をしていても。

この二日間で思ったことは、わたしたぶん、佐藤さんのこと、佐藤さんのドラムよりも佐藤さん本人のことが好きなんだと思う。だからきっともどかしいんだな。もっと前に出てきてよ、それが見たいんだよ、聴きたいんだよ!って思うみたい。まだ遠慮してるみたいに聴こえる、聴こえてた、んだよ。最近はちょっと変わってきたんだけど。
ぶっちはぶっち本人よりぶっちのドラムの方が好きだったから、こんな葛藤さっぱりなかったのよね。う〜ん。

20140206 「My Funny Valentine」@池袋手刀
bulbさん。お酒を飲んで酔っぱらいながら行った上に手刀でも日本酒を貰って酔っぱらいながら聴いてた、ものすごく楽しかった。bulbの曲はのりやすいし、シラタマさんの動きが面白いから見ていて飽きない。物販が可愛いのも魅力で、この日は缶バッチを買いました。かわいい〜。
ツアーをやるとか言っていたけれど、本当なのかな?詳細待ち。そして音源も楽しみにしています。

選ばれない未来のための

 わたしたちの目の前には無数の可能性が広がっている、と言うとき、それは同時に、ひとつの可能性を選ぶことによってわたしたちは他の無数の可能性を殺している、と言うこともできる。選ばれない未来のためのやさしいパヴァーヌが演奏されたとしても、死んだ未来には、音楽にあわせて踊る子どもはいないし、わたしたちが選ばなかったあらゆるものたちは、すべて均一に、のっぺりとして、どこまでもどこまでも広がってゆくばかりで、見通すことはできない。

 *

行ったライブの感想の続き。

■20130813 宇宙戦隊NOIZ「KING of ONEMAN ☆ SHOW 集 SHOW Vol.8」@新横浜NEW SIDE BEACH!!
今日は知らないライブハウスだな~と思いながら友だちに着いていったら、旧シンフォだった。ここよく名前かわるよね。なんでだろう。
NOIZはとても久しぶりで、この日は変身がなかったし、いきなりふりのある曲ばかりをやったので、「えっNOIZってこんなんだったっけ……?」と戸惑ったのだけれど、バトルカプセルあたりから「ああ、そうそう、こんな感じ」となって、楽しめた。でも曲数がすくなかったので、物足りなかった。ライブ後に縁日があって、メンバーと話せたり、私物をもらえたりしたのだけれど、わたしはそういうのは別にいいので、もっと曲をやってほしかった。でも友だちが楽しそうだったから、いいかな。わたしは金魚すくいをやって、呼太郎くんのポラをもらいました。友だちがほしいと言うので、あげた。そのあとは横浜まで行ってお酒を飲んで、解散。横浜のライブはゆっくりできるからいいなあ。みんなもっと横浜でライブをやろう。

■20130822 people in the box「空から降ってくるvol.5」@メルパルクホール
twitterでフォローしているひとたちからおすすめしてもらった「Ghost Apple」と「Family Record」を聴いてから行きました。とても楽しかった。ここ最近「不発……」と思うライブをよく引いていたので、この日、はじめて見るバンドを、こころから楽しめたことが嬉しかったし、しあわせだと思った。前半はチェリストの徳澤青弦さんを加えてのアコースティック、後半はバンド演奏、という形式で、前半と後半のあいだにはすごくくだらなくておもしろい映像が挟まっていた。前半はいろいろな試みがおもしろく、後半はぐるぐる上昇していくような、意識をかきまわすような音が気持ちよかった。個人的には後半の方が好み。前半はもっと洗練させることができると思う。
あと、このバンド、ドラムがドストライクで好みです。

■20130823 lynch.@渋谷AX
「あがったの?」と訊かれるくらい最近行けていなかったのですが、あがってないよ!好きだよリンチ!ということで久しぶりに行ってきました。ずーっと頭振ってた。楽しくて記憶がない。アイムシック始まりというだけでテンションあがりきってしまって、もうなにも覚えていない。全力で暴れて燃え尽きました。た、たのしい……。

■20130920 Plastic Tree「瞳孔乱反射」@横浜BLITZ
初日的ライブだろうからまったりしよう、と思っていたら、とても楽しかったライブ。まず、セットリストがいいし、今回主軸となっているシングル「瞳孔」に収録されている三曲が、ライブの音としてとてもきれいに消化されていた。プラツリはたいてい、新曲お披露目は「うんうんこれからの進化がたのしみだな~」といった感じになるのだけれど、瞳孔の三曲は、もちろんこれからの進化は楽しみなのだけれど、それは現状物足りないからという意味ではまったくなくて、とても純粋でフラットな期待で、だからすごく嬉しかった。
個人的に今回セットリストに入るんじゃないかな~と思っていた斜陽がきけて満足。今回のセトリはほんとうに好き。暗転始まりってすっごくいいし、1999は演奏時に流される映像がとても好きで(わたしはプライブで使用される映像の八割くらいはダッサいなと思っているのでこれはめずらしいこと)、そしてその映像を初めて見たのは2010年の横浜ブリッツ(このライブハウスはもうすぐなくなります)だったなあと思うと感慨深い。讃美歌もきけて嬉しかった。
あと、中山さんの「おまえらの大好きな俺でいてやるよ」発言で死んだ。ぼ、ぼくらのイデアなかやまあきら……。

■20130922 tobaccojuice@新代田LIVE HOUSE FEVER
桜井さんと藤野さんと一緒に行った。下北沢か新代田で待ち合わせましょう、と桜井さんは言っていて、新代田は行ったことないからぜんぜんわかんないな、下北沢がいいな、と思っていたら、「新代田には道しかないので下北沢で待ち合わせをしましょう」というメールがきた。電柱くらいあるんじゃないのと思った。思ったのでそう返信した。
藤野さんに会うのはいつぞやの難聴のパールの日以来で、わーどうしよう、どうしようわーとなった。藤野さんは美少女なので、美少女に会うからには多少まともなかっこうをしないとなあ、と困っていたのだけれど、どうしよう、どうしようと悩んだすえ、けっきょく無難になった。ひさしぶりに会った藤野さんは、しかし、美少女から美女に変貌を遂げていて、どうしようかと思った。どうしよう。あんまりにもどうしようとなっていたせいで、桜井さんにも藤野さんにも沖縄のおみやげを買ってきていたのに、持っていくのを忘れた。
お茶をして、というかお酒を飲んで、焼き鳥をたべて、ライブハウスに行った。tobaccojuiceは好きなブロガーさんが好きだと書いていたので興味を持ったバンドで、何曲かyoutubeで聴いたかぎりでは好きそうだなと思っていたのだけれど、ライブをみていたら「うん好みとちがう」となったので、わたしは途中で抜け出して、下北沢のグランバザールを物色したりしていた。父さん母さんありがとう、とか歌ってしまうバンドをみると、わたしはそわそわしたり、全身がかゆくなったりしてしまうのだ。グランバザールでジェーンマープルの服を眺めていたら、全身のかゆみはおさまった。グランバザール、わたしが行く三十分前には由里葉さんがいたらしく、ニアミスだった。
そのあと桜井さんと藤野さんとふたたび合流して、ごはんをたべて、解散した。彼らは「からいものがたべたい」と言っていたのに、ちっともからくないものをたべていて、意味がわからなかった。あのふたりは意味がわかりません。

■20130923 ニッポン彷徨の夏@Jicco
大森靖子を船の上で見られるよ、というので、友だちを誘って、一緒に観に行った。Jiccoは近未来的な形をした船で、松本零士がデザインしたらしく、とてもかっこうよかった。ふだんはヒミコという定期便で、週末の夜だけ東京湾に浮かぶバーとして運営されているらしい。想像していたよりもずっと雰囲気がよくて、びっくりした。
船は浜松町とお台場をひたすらに往復していた。一往復目はなんのライブもなくて、ただ夜景をふんわり眺めたり、お酒を飲んだり、友だちと一緒に写真を撮ったりした(風景の)。レインボーブリッジや、フジテレビが見えた。二往復目と、三往復目で、大森さんが歌った。「きらいきらいきらきら」「もう好きじゃなくなったのかな」という歌がすごくかなしくて、好きだと思った。そして大森さんが歌っているとき、わたしはひたすらに大森さんを見ていて、夜景をちっとも見ないので、これは船で見る意味あんまりないな……と思った。
大森さんのあとに京都からきたバンドが演奏することになっていて、わたしはそちらも見たかったのだけれど、Jiccoは食事のメニューがまったくなくて、あまりにもおなかがすいたので、大森さんが終わってからそのまま食事に行った。さんまのお刺身がたべられるお店を選んで行ったはずなのに、さんまのお刺身はもう終わっていて、かなしかった。さんまのお刺身のかわりに、お好み焼きをたべた。おいしかった。

■20130930 my bloody valentine -World Premium Live- with 相対性理論@東京国際フォーラム
初めてのマイブラにして初めての外タレでした。あと、メンバーの入れ替えがあってから初めて見る相対性理論でした。
理論は以前よりもライブはよくなっていて、でも、ドラムがふたりいる意味がさっぱり理解できない音作りで、片方はシンセに集中すればいいのに、と思ったり、CDを聴いたときも思ったのだけれど、やくしまるえつこはとても人間的な歌いかたをするようになってきていて、それはべつによいのだけれど、これまでの無機的なスタイルと現在のスタイルをふらふらといったりきたりするので、どうにも印象が中途半端。一曲目のイントロと、ラスト二曲はいいなあと思ったのだけれど、ほかはいまひとつパッとしなかった。やっぱり理論に国フォは大きすぎるよ。どうして今回、理論が前座になったんだろう。ふさわしいバンド、ほかにももっといるよね、と思ってしまった。
マイブラはめちゃくちゃよかった。初めてで感動して印象盛りすぎているのかもしれないけれど、でも、すごくすごくよかった。圧倒的な轟音、音の洪水、それはその空間に存在するすべてを飲み込むように暴力的な質量でわたしたちを包み込んで、それなのに、けっしてやかましくはないのだった。あんなばかみたいにでかい音の塊を、きれいに聴かせていた。あんな広いホールで、あんなでかい、歪みきった音を鳴らしているのに、音の粒がきちんと判別できるんだよ。すごかった。あまりにもすごいと思ったので、見終わったあと、由比良さんに「すごかった」というメールを送った。「来てたの知らなかった」という返信が来たので、また来たら誘おうと思った。

■20131004 Plastic Tree「瞳孔乱反射」@ZEPP TOKYO
すっきりしないファイナルでした。上手の前方にいて途中で抜けることがむずかしかったから最後までいたけれど、二階席とか、フロア後方とかにいたら、たぶん途中で帰っていたと思う。個人的には、ウツセミファイナルぶりに、アキラのギターにものすごいもやもや感を覚えたライブでした。ギターいいな、と思ったの、アンドロくらいだと思う。暴れ曲がつづくあたり、わたしぜんぜん楽しくなくて、盛り上がっているひとたちにもみくちゃにされながら、みんなほんとうに楽しいの?ほんとうにこの音で楽しいの?って呆然としていた。
この日は正くんが抜群にかっこうよかったので、わたしはベースばかり聴いていた。いつもより重心が低くて、ごりごりしていて、太くてリズミカルな音だった。ケンケンの演奏はいつもより荒くて、ミスが目立つところもあって、でもこれまでよりもずっと近くで聴こえる、前に出てくる音になっていて、嬉しかった。

均一なひらぺったさ

 視界にはいるだけで吐き気をもよおすほど嫌いな人なんて作るべきではなくて、だってそれは完全なイコールで生きづらさにつながるのだから、吐き気をもよおすほど嫌いになる前に、自分の感情をセーブしたり、よいところ探しをしたり、物理的に接触をさけたり、そういうことをしなくちゃならない。でもわたしはそれを怠って、いまはもう、視界にはいるだけで吐き気をもよおすほどに、彼女のことが嫌いになって、だから面倒だなあ、生きることは面倒だよ。あなたのここが嫌い、ここが嫌い、とわたしはパワーポイントでスライドをつくってみんなの前で発表できる。それくらい子どもじみた絶対さで、わたしはあなたのことが嫌い。
 ドビュッシーを延々ときいている。アラベスク第一番とか、夢とか、沈める寺とか。ドビュッシーの曲を延々ときいていると、自分がどんどん曖昧になって、波打って拡散して、消滅するように世界と同化して、それでも意識はどこかに残っているような、そういった、よくわからない不安にも似た安心に満たされて、どうしたらいいかわからなくなる。
「世界泥棒」は、隣の国で、百瀬くんと柊くんが先に帰って、意味ちゃんがあやちゃんの前で泣くところまで読んだ。真山くんとあやちゃんが汽車に乗って遠い国へ行くシーンが、とてもきれいで、とてもつらい。

 *

行ったライブの感想。たくさんあるので途中まで。

■20130202 Plastic tree「インク」@松下IMPホール
■20130203 Plastic tree「インク」@松下IMPホール
去年出たアルバム「インク」が好きで好きでテンションがあがりきってしまったため、インクツアーは行ける日程ぜんぶ行くぞーと、三カ所遠征しました。アルバムツアーって基本的にあんまり好きじゃないので、これは青天の霹靂と言っていいくらいのできごと。
今回のツアーはすべて2days、そして連休最終日のライブは開演が16:00と遠征にやさしい日程だったので、週末のライブを回ることにしました。
大阪はまさかの自由席への戸惑いと、音響がいまひとつだったなーという印象が残ってる。演奏的にはまだ硬かったです。いかにもツアーの始めの方って感じだった。各曲が丁寧に演奏されていた。
嬉しかったことは、インク曲以外に、crackpotと星座づくりが演奏されたこと。特にcrackpotは、個人的にとても特別な曲だから。
鬼に豆を投げられる、という謎の節分を経験したことも、よい思い出です。

■20130210 Plastic tree「インク」@福岡DRUM LOGS
正くんがアンプ蹴った!えーんえーんこわいよう……。
いつもふんわりほよよ~としている正くんが、度重なるアンプトラブルでてふてふ終了後にアンプを蹴っとばして(ほんとうに蹴ったのか蹴るまねをしただけなのかはよくわかんない。上手の民なので)去っていってしまってかなしくなりました。すぐ帰ってきたけど。
後日、これは下手の住人はさぞや苦しかったろうと感想を探したら、「正くんは怒っていてもおかわいらしい」という非常に前向きな感想に行き当たり、正海月すげえ……と震撼いたしました。
演奏は全体的にぐだぐだ。うーん、といった感じ。
あと、博多さいこう。博多の夜さいこう。ちょう楽しい。

■20130211 Plastic tree「インク」@福岡DRUM LOGS
この日はよい演奏が聴けてよかったです。なかちゃんが「普通のライブできてよかった」などと言っていた。正くんが「昨日は久しぶりにきれちゃったよ~」とほよほよしていらしたので、おお、通常営業ほよ様……!と拝んでおきました。

■20130217 Plastic tree「インク」@仙台Junk Box
わたしが行った中では、いちばんよいライブでした。すばらしかった。アンコールでスライドやったよ。この日は大正谷さんが来てたみたい。

■20130307 Plastic tree「インク」@横須賀芸術劇場
最前で見られるという幸運があったのですが、メンバー近すぎて音に集中できなかった……。わたしは最前向きでないということがわかりました。でも普段は見られないいろいろがよく見えて、とても貴重な体験でした。ありがとうございました。
横須賀芸術劇場はプラの持っている雰囲気ととても相性がよいので、ぜひまたやってほしいです。年度末じゃない休日にやろう。絶対に埋まるから。

■20130310 「TOKYO EARTHDOM 1」@新大久保EARTH DOM
桜井さんと新大久保で待ち合わせた。電車に乗っているとき、桜井さんから「十分くらい遅刻します」というメールがきて、わたしは五分程度の遅刻だったので、十分の遅刻なんてとんでもないな、人を待たせるなんて許されないことだ、ケツバットだ!といきりたって改札を出たらもうすでに桜井さんは「ぼくはあらゆるすべての事象が顕現する前からここに立っていました」という顔でそこに立っていた。ひとを油断させるためにうそをついて巧妙な罠をしかけるなんて狡猾。えーん。遅刻してごめんなさい。サイゼリヤでごはんをたべて、かわいいねこのコースターをもらったので、かわいいねこのコースターだよ、と思った。それからアースダムを探して、アースダムに入って、アースダムで初めてのピンクトカレフを聴いた。かっこよかった。最初は後ろでゆっくり聴いていようと思ったのに、サウンドチェックの音を聴いていたら、うずうずして前に行っちゃった。この日聴いた最終公演が忘れられない。「愚かな過去もステージの上、誰かが笑ってくれるのさ」。
あと、初うみのて。気持ち悪くてかっこよかった。彼らはまた見に行きたい。

■20130311 Plastic tree「裏インク」@東京キネマ倶楽部
一週間公演、わーい。土日は取れなかったので、平日だけ行きました。
インクツアー終了からさほど時間も経っていなかったので、「オゥ……初日……」というライブではなかろうと予想していたのですが、ものの見事に裏切ってくれて、たいへん初日らしい初日でした。インクツアーの緊張感どこいった。

■20130312 Plastic tree「裏インク」@東京キネマ倶楽部
この日もゆるかった。
この「キネマ倶楽部一週間公演裏インク」は日替わりで毎日違う色をテーマにしていて、初日は赤、二日目はオレンジでした。オレンジの日であるこの日は、斜陽が聴けたっていうのが嬉しかったことかなあ。あとはゆるゆる。

■20130313 Plastic tree「裏インク」@東京キネマ倶楽部
この日は黄色の日。唯一ひとり参戦ではなく友だちを連れていった日だったのに、遅刻してテンションだだ下がり。しかもその友だちのチケットもわたしが持ってたんだよ……。プライブ初めての友だちだったのに……。
裏インクを彼女の初めてのライブに選んだことを、後悔したライブでした。こういうゆるさもプラの持ち味のひとつではあるのだけれど、わたしが好きなのは、張りつめて緊張感に満ちた、知らないどこかへと投げ出されるような、冷たくて奇妙な彼らの世界なので。
裏インク、ゆるいよ!

■20130314 Plastic tree「裏インク」@東京キネマ倶楽部
緑の日。
この日はものすごくよかった。演奏が素晴らしかった。わたしが行った中では、間違いなくベストアクトでした。

■20130315 Plastic tree「裏インク」@東京キネマ倶楽部
青の日。
青はPlastic Treeを表す色と言っていいくらい象徴的な色なのでけっこう期待していたのですが、演奏的なクオリティは前日の方が上でした。ブルーバック聴けて嬉しかったな。

■20130427 ARABAKI 2013
初めてのフェスだったよ。友だちが行くって言うので、じゃあわたしも行くって着いていって、一日目だけ参加しました。
忘れらんねえよとZAZEN BOYSとTHE NOVEMBERSとEGO-WRAPPIN'とセッション(ヤマジが出てた)を観ました。すっげー楽しかった。めちゃめちゃ楽しかった。特にエゴは大好きなのにこれまで一回も観たことがないバンドだったから、とても感動した。冷たく澄んだ空気の中で聴く、水中の光の、あの気持ちよさ!
でも疲れました。
フェスっていう空間が好きじゃなかったら、わざわざ行くもんじゃないなあ、というのが感想。わたしはインドアな人間なので、すごく楽しかったけれどそれと同じくらい消耗したので、もう行かなくてもいいなあ。チケット高いし、移動に時間かかるし。それぞれのワンマンやイベントを普通に観に行った方がいいや。

■20130610 凡庸な逆回転其の四十四@渋谷O-EAST
ものすごく久しぶりに行った凡庸。とても楽しかった。有村さん、ネジでレギュラーになっている曲は声域が合う、というか、声域が合う曲を選んでいるのだろうけれど、とてもいいんだよなあ。彼は女性の昭和歌謡を歌わせると一品ですよ、本当に。

■20130613 白石才三Duo Tour@横浜grassroots
岩見さんを観に行った日ですね。この日は観たいライブが他に二本あって、当日まで悩んでいたのですが、結局近場を取りました。すごく楽しくて、終始きゃっきゃしていた印象。開演前にgrassrootsに入って、酒を飲み煙草を吸い待っていたら、向かいのボックス席に岩見さんがいて、ぼんやりとそれを眺めていました。
スタンダードもオリジナルもやって、とても楽しい時間でした。ピンプの元晴さんいてびっくりした。二十四時頃に振る舞われた、アスパラのおいしさたるや。わたし、けっこう仕事で地方に行きますし、食い意地が張っているのでいろいろ食べているつもりではあるのですが、あんなに甘くておいしいアスパラは食べたことない。ちょっとした感動でした。ジャズライブに行ってたべるアスパラのおいしさ……。
終バスの時間が迫ってきたので、ラストワンセッションありそうなところで帰ったのですが、あれは最後までいたかった。
ただ、こういう小さなライブの、とてもクローズドな空気は、わたしやっぱり、苦手だ。

■20130629 THE NOVEMBERS@恵比寿The Garden Hall
ノーベンバーズのワンマンを初めて観た日でした。
彼らのライブをワンマンで観るのは、この日が初めて。気持ちのいいライブではあったのですが、「うん?その程度?」と思える演奏がちらほら。もうちょっとポテンシャルあるでしょう、という気持ちに。これまでイベントで観たノーベンバーズには、聴衆を自分たちの領域まで無理矢理にでも引きずり込む吸引力が感じられたのに、このライブではそれが感じられませんでした。MCを聴いていると、このライブハウスに対する思い入れや、ワンマンライブに対する熱量が感じられたのですが、音ではそれがわからなかった。単純に技術力不足なのかな、と思える部分も多々。にわかファンであるわたしにとっては、物足りない部分の多いライブでした。でも、ずっと彼らを好きでいた人にとっては、とても素晴らしいライブだったのではないのかな、とも思います。わたしは彼らのパーソナリティを知らないし、これからも知るつもりがないのだけれど、彼らが自分たちの過去、あるいは愛してきたもの、それらに対して非常に誠実であることはとてもよく伝わりました。

■20130729 「凡庸な逆回転番外編~アコースティック三~」@下北沢GARDEN
people in the boxの波多野さんを初めて見た日。ここでの弾き語りに惹かれて、八月二十二日の「空から降ってくる」に行くことを決めました。ほんとうにすばらしかった。
ほかはどうしようもなかったので割愛。

■20130808 「the LIQUEDROOM 9th ANNIVERSARY presents "UNDER THE INFLUENCE」@恵比寿LIQUEDROOOM
まりこ観に行ったんですが、物足りないライブでした。

■20130811 Plastic Tree「タイトルはいずれ考える」@新宿LOFT
FC限定で各メンバープロデュースのライブをやるよ、という話をきいて、更新せずに抜けたFCに再び加入したのが六月。正くんプロデュースは外れたのですが(だってチェルホだよ!プラでチェルホって……。でも雰囲気はすごく合うと思う)アキラプロデュースは当たったよ!本命当たってほんとうに嬉しかった神さま仏さま中さまありがとう……。「明ならロフト選ぶでしょ~」と予想していたら会場はやっぱりロフトで、好きなライブハウスで好きなバンドを見られることはとてもしあわせなことだなあ。
至れり尽くせりおもてなし要素満載のライブで、あのときあの場所にいられてほんとうによかったと思いました。

透ける

 壊れたパソコンを修理に持って行こうと思っていたのだけれど、あんまりに寒いので部屋から出られなかった。仕事を終えて、パソコンを取りにいったん帰宅して、通勤のための服はあんまり好きではないのでゴブラン織りのショートパンツに履き替えてストッキングだけでは寒いので足の裏専用のほっかいろを貼って通勤では使えない少し派手なマフラーを巻いてパソコンを鞄に詰め込んで、もう外へ出ればだいじょうぶだよ、その扉を開いて鍵をかけてバスに乗ってしまえばだいじょうぶだよ、というところまで準備を済ませたのだけれど結局、出かけなかった。外はあんまりに寒いので。
 玉ねぎとキャベツとトマトとほうれん草とベーコンのスープをたべて、豚肉のリエットをグリッシーニでこそぎながらたべて、ホットワインを飲んで、ウイスキーを飲んでいる。土曜日に交換してもらったエアコンが、あたしの後ろでしゅおおおと鳴いているよ。真っ白い無個性なエアコン、下側では礼儀正しい長方形の舌が規則正しく上下運動を繰り返す、吐き出される呼気があたしの部屋に充満する。エアコンが吐き出すのは二酸化炭素じゃないから、あたしは窒息しなくて済むんだよ。エアコンがにんげんじゃなくって、よかったなあ!部屋があったまるの、遅い気がするから、窓に貼るやつ買おうかな。ぺたぺた。エアコンを交換してもらうために片付けた部屋はとてもきれいで、床に物がないっていうのは、すごく健全な状態なんだな。お掃除ロボのマミさんもすぐに使えるし、これを維持しなくちゃだめだね。生活に真摯でありたいよ。

見に行ったライブとダンスのメモ

20121115thu 鹿鳴館伝説part2@TOKYO DOME CITY HALL
lynch.とPlastic Treeを観にいったのだけれど、仕事が終わってから行ったら一発目のlynch.に間に合わなくてすごく落ち込んだ。友だちと一緒に走って滑り込んだら葉月の最後のシャウトがちょっぴり聞こえた。せつない。
Creature Creatureでササブチが叩いているって知らなかったから、気がついたときはびっくりして一分くらいまじまじと見つめたまま静止してしまった。相変わらず独特の叩き方をするよ。あんなドラマー、わたし他に知らない。スクエアなリズム。切りつけるみたいに硬く痛い鋭い音。酒とはやっぱり叩き方が違って、よりタイトな叩き方をしていたように思います。
Plastic Treeはいつもどおりだったなあと思う。ついったで褒めているひとがたくさんいたので、もしかしたらよかったのかな、とも思うのだけれど、わたしの主観では、いつもどおりだったな。いつもよりちょっと悪いくらいだったかもしれない。セトリもふつうだった。好きな曲たくさんやったんだけどね。好きなぶん、あら捜しをしてしまうのかな。

20121123fri 勅使川原三郎「DAH-DAH-SKO-DAH-DAH」@東京芸術劇場プレイハウス
宮沢賢治にインスピレーションを受けた作品だというので、気になって見に行った。「ああ確かに賢治だなあ」と思える部分もあったのだけれど、わたしには難解すぎたので、半分くらい眠っていた。わたしはもっとわかりやすくて、ばかばかしいものが好きだな。東京芸術劇場はとってもきれいだし、お客さんも上品なひとたちが多かったので、緊張したよ。
見終わったあと、Kさんと一緒に「酒の一滴は血の一滴涙は心の汗」でお魚をたべて、終電を逃して、Kさんちに泊めてもらった。

20121124sat 後藤まりこ「299792458」@恵比寿リキッドルーム
ミドリが解散したリキッドという箱で後藤まりこがワンマンライブをやるということ。「どんぞこや」と言っていちど死んでしまった後藤まりこが「終わったとこから始めよう」と呟いて死体のままゆらりと立ち頭から血を流しながらセーラー服で踊っていなくなってしまった場所。死と希望が残された場所。そこで後藤まりこが「音楽」をやるということ。
ミドリは、後藤まりこという女の子がゆっくりと即死してゆく過程を記録したビデオ・フィルム。後藤まりこのソロは、音楽。どちらもあたしは好きだな。ん、ちがう、どちらも、という言い方はちょっと変だな、ミドリという時間を経た後藤まりこがやっている後藤まりこという音楽が、あたしは好きなんだな。単品の、その瞬間の「後藤まりこ」として差し出されても、あたしは好きだよ。あの音楽、あたし好きだ。でも、ミドリで死んでいった彼女を見ていたから、余計にその思いが強くなるんじゃないかな。でも音楽としての後藤まりこを聴くとき、その感情は夾雑物かもしれない。
持ち曲が単純に少ないので、この日のライブは一時間ちょっとで終わってしまった。OAもあったから全体尺はもっと長かったんだけど、OAはつまんなかったよ。最初、股間にサンプラーを入れて歌うおじさんがやって、けっこう面白かったのだけれど、似たようなことばかりをするので途中で飽きてしまった。そのあと、アートの木下さんがDJをやったのだけれど、単調なのでこれもすぐに飽きた。曲が少ないのはみんな知っているだろうし、一時間で終わっても変じゃないから、OAなくてもよかったんじゃないかな。ちょっと邪魔だったよ。木下が弾き語りとかやったら、みんなそれなりに盛り上がったろうに。
後藤まりこのソロは、わたし非常に好きで、これからもたくさん見たいなあと思っているのだけれど、どこが好きって、バンドが好きなんだな。バックバンドでも、サポートメンバーでもなくて、バンド。後藤まりこバンド。みんな後藤まりこのメロディやリズムを愛していて最大限まで自由に歌わせようとしていて、しかし同時に隙あらば自分の音を鳴らしまくってやろうという遊びも山ほど詰め込まれていて、聴いていて楽しいのね。しっちゃかめっちゃか、でもすっごいポップ。
最後のHARDCORE LIFEはしあわせそうに音を歌う彼女があんまりにも透明だったから、あたしはちょっと泣けちゃって笑ったよ。
「毎日、ちょっぴり、ハードコアです。だとしたら、ハートは枯れていくの?そしたら、あたしの頭めがけ、あなたの鉄槌を撃ち落としてね。」!

20121207fri lynch.「THE FATAL EXPERIENCE #2 -SEIZE THE MOMENT -」@恵比寿リキッドルーム
仕事をしてから行ったので、またしても遅刻。四十分遅れてリキッドに着く。lynch.のライブは基本的に一時間~一時間半と尺が短いので、四十分の遅刻はつまりライブが半分もしくは半分以上終わっているという意味になっちゃう。電車の中でテンションすっごい下がって、今日はもういいや見られればいいや後ろでのんびり見よう久しぶりだし、なんて思っていたのだけれど、入ったときやっていたEXPERIENCEきいたらなんかすぐにハイになっちゃって、入り口ちかく、上手の後ろの方で、勝手に暴れていた。後ろのほうでも暴れているひとは結構いて、相変わらずリンチのライブはリンチのライブだなあ、メジャーに行ってもひよってないなあ、むしろカッコよくなったなあ、と嬉しくなった。以前に日記で褒めたとおり、わたしは最新アルバムが非常に好きなので、それに入っている曲たちが聞けてよかった。それに、i'm sick b'cuz luv u、ALL THIS I'LL GIVE YOU、unknown lost a beauty、_pulse、discord number、って大好きな曲がたくさん聞けたのも楽しかった要因のひとつだなあ。
わたしはlynch.のリキッドルームライブは全部行っていて、過去二回もすごく楽しかったのだけれど、今回のライブはそれを塗り替えたと思う。開演四十分後に入ったのに。葉月が言っていたように、当たり前にリキッドできるようになったんだな、と実感して、ぞくぞくした。最初の頃の、箱に負けないようにあがいている姿、必死の姿、リベンジしてやるって勝手に宣言しちゃった若さ、達成して感極まっている声、そういったものたちも決して忘れたくない大切な思い出だけれど、そんな感傷を後ろにぶちやりながら駆け抜けていく音、いまの音、進行形の音つまりライブ、今回のライブ、はほんとうにいまこの瞬間のlynch.っていうバンドがカッコイイなあって心から思わせてくれて、よかった。むかしはlynch.の音ってけっこう散漫だったんだけど、わたしがライブに行けなかったこの一年の間に、すごくまとまっていてびっくりした。アルバムを聞いたときも思ったんだけど、あれはやっぱり、ミックスの問題じゃなくって、バンドの状態がそのまま出ていたんだな。
彼らは三月に、ZEPPでライブをやるらしい。出張が入っていなかったら、絶対に行こう。わたしはZEPPというライブハウスは好きじゃない、というか、はっきりと言えば嫌いなのだけれど、いまのlynch.ならすっごく楽しいライブをしてくれるんじゃないかなと思っている。箱に飲まれないでやれる気がする。なんだかlynch.はね、バンドが大きくなっていっても、ぜんぜん不安がない。むしろもっと大きくなってほしい。たくさんのひとに見てほしいし、大きなライブハウスで、ホールで、ライブを見たい。大きなホールの、後ろの席で、ぜんぜんステージが見えなくても、絶対に楽しい、そう思えるから。

毒にも薬にも鳴らない

 十日、桜井さんと高円寺円盤で「ひなげし」という映画の上映会+出演者と監督によるミニライブを見たのだけれどなにがなんだかよくわからなかったの。ジョニー大蔵大臣が主演なんですって見たい、と思って、桜井さんを誘って、見に行ったのだけれど、なにがなんだかよくわからなかった。あまりにもわたしの守備範囲から解離し過ぎていたので好き嫌いを含めあまり感想がないのだけれど、ひとつ思ったのは、いわゆる前衛と呼ばれる世界にテクニックは存在してはいけないのかな、ということです。映画もそうなんだけど、それよりも出演者さんたちのミニライブ。それを見て強く思ったの。特にピアノは、なんだかなあ、ってずっともやもやしながら聞いていた。すばらしい音楽に技術は必ずしも必要でない、ということは常々思っていて、しかしあの日の彼らからは「必ずしも必要ではない」ではなくむしろ「あることは罪悪である」くらいの積極的な否定が打ち出されているように感じられて、ふしぎだった。わたしの知っている「技術も理論もそのいっさいがどうでもよくとにかく素晴らしい音楽」というものは、情熱、衝動、あるいはその人が保有しかつ近くにいる人を手あたり次第に引きずりこんでゆく強大な吸引力を持った世界、などが核となっているのだけれど、彼らからはそのいずれも感じられない。陶酔と嘲笑しか感じられなかった。
 ラブがないよね。と、個人的には思う。
 いちばん最後にジョニー大蔵大臣が歌った「芸人の墓」はすごくよかったです。
 んー、で、「芸人の墓」を聞いてから桜井さんと連れだって円盤を出て土地感のない高円寺駅周辺をさまよい最終的にお魚がメインと思われるお店に入って鍋をたべた。鯖のお刺身と炙りと漬けが乗っかってる三点盛りともつ鍋(〆の雑炊つき)をたべた。どれもおいしかったのだけれど、どれもくるのがすごく遅かったのよう、わたしは生まれ変わるくらいおなかがすいていたのでアア生まれ変わるほら今この瞬間ぼくは蛹をぴりぴりと破りながら柔らかく頼りない透明な羽を広げて羽化する虫のように生まれ変わると言ってみたけれどでもそれは生まれ変わりではなく変態であるよそしてわたしの前世は紙テープ来世は鋏か青い鉱石と決まっているのでついにあたし無機物に生まれ変わるッアアッ生まれ変わるッと切羽詰まりながら唇をぱくぱく開閉し続けなければならなくてそれはちょっと軽い拷問だったよね。でもぱくぱくと開閉し続ける唇はたべものを放り込まれない限りはどうでもいいことを喋り続けるので相変わらず日本酒を体内に取り込まなければわたしの十分の一も喋らない桜井さんと相対している言葉病に悩むわたしにはそれはある種の救いでもあったのかもしれない。なんて書いているけれど実は無言でもあんまり気にならないし、要するにいったいぜんたいなんなんだろうね?問いを発することに価値がある、という意見はもっともだと思うけれどそれは問いがきちんと明確であり問題というものを可視化できている場合のみに適用される意見であってだからこの場合の僕の発言はただ無為、無為なのであるよ!
 というような、伝えることを前提としていない言葉、「整ったうつくしい言葉も愛しているがそうでない言葉、悪文こそをむしろ愛す」と言いながらも結局は自己陶酔のみが目的であるという姿勢、の類似が音楽的に発露された状態、があの日わたしが目撃した音楽(仮定)だったのかなと思うとすこし落ち込む。「わかってくれる人だけわかってくれればいい」という姿勢がわたしは好きではない。だってそれは本来コミュニケーションに払われるべき代償の一切を拒絶している、それなのに益は要求している、非常に怠惰な状態であるもの。伝えることを目的としない言葉、音楽、行動、それらはいったいどこへ向かえばいいのだろう、最終的に自己へと帰結するのであればそれは独り言であり要するにオナニーに過ぎないのです。
 書きたいことが三つほどあるのだけれど酔っぱらっているのでまた今度にする。次に日記を書くときは、①作るという行為と承認欲求②自己を認める他者のみを欲するという自己完結③平易な言葉あるいは音の難解さ、それから山崎ナオコーラの「長い終わりが始まる」の感想について書きたいなあと思うんだけど次まで覚えてるかどうかわかんない。

エイトビートの夏、台風、瞬間の獣

いろいろあった。

今年の春あたりから自分の文章がクソにしか見えないという病気にかかっていて、それはあたしの客観的な技術力であるとか表現力であるとか構成力であるとかそんなこととはなんの関係もなく常にあたしの文章を心の底から愛して愛して愛しちゃっているあたしとしては、ほんとうにもう病気としか言いようのない状態で病気病気病気だったのだけれど、だからねずっとね今年はいってからはずっとねいろいろ書かないで生活していた。書いたりもしたけど。でもすごく少ない。人生でいちばん文章を書かなかった時期だと思う。大学のレポートは書いてたけど。
文章書かないでなにをしていたかと言うと、だいたい仕事をしていた。なんか妙に忙しくて、あたしの文章クソにしか見えない病はおそらくそれに端を発していたのだけれど、それはともかく、つまりあたしは今年はだいたい仕事をしていた。社畜。犬のクソ以下だよね。仕事なんぞ真剣にやり始めたらあたしのあたしたる根元は死ぬ。仕事なんてクソだ。そんなわけで今年のあたしの人生は犬のクソ以下だった。でもちょっと、八月に入ってやっと、余裕ができたので、いろいろしていた。旅をしたり演劇を見たりライブに行ったり、あとは、文章を書いたり、つまりいつものあたしみたいなことをしていた。
なんか生き返った気がする。

うちの会社は夏期休暇が遅かったので、今日までが休みだった。明日からまた働かなくちゃならないんだけど、年内はそこまで忙しくならないだろう。十二月はもしかしたら地獄かもしれないのだけれど、まだ始まっていないから、わからない。地獄だったら、また死ぬだけだし、死ぬのなんて毎瞬毎瞬くり返しているのだから、大丈夫、だと思うのだけれど。わからない。死ぬのは痛いし、つらいし、しんどいし、むなしいし、大丈夫、なんて言うわたしは生きているわたしだけなのだけれど。わかんないな、わかんない。でもいまはすっきりしている。

八月のよかったこと。
本谷有希子の「クレイジーハニー」を見た。おもしろかった。爆笑しながら号泣するみたいな感情、感情ばっかり、感情ばっかりの嵐、肥大化した自意識をまき散らして全力でぶち壊す、そんな感じ、ふるふるした。心臓がじんじんした。おもしろかった。
lynch.のツアーファイナル、赤坂BLITZ2daysに行った。lynch.のライブには、一年行っていなかった。去年の横浜が死ぬほどつまらなかったので、決定的にいやになるのがこわくて、行けなかった。このライブは、正直あがる覚悟をするために行った。初日は普通だった。つまらなくなくて、ごく普通に楽しめた。もしかして上がらなくてもいいのかな、と思った。また通おうとは思わなかったけれど、近くでやるならたまに行こう、と思った。
二日目は最高だった。もうなにも言うことなんてない。また通おうと思った。

わたしはいつも思うのだけれど、何回も言っているのだけれど、好きなものを好きなままでいるということは、奇跡だと思う。生きているものは必ず変化する。変化しないものは死んでいるものだけだ。だから現在進行形で活動を続けているバンド、作家、画家、脚本家、ダンサー、それに友だちだって、いつまで好きでいるのかわからない。その瞬間に存在する彼らを愛して、愛しているから、変化してゆくすべてに対応できるわけではない。必ず別れはあるし、心なんていくらでも離れるだろう。それは仕方のないことだし、悲しいことではない。それでも、その不可避の別れを迎えないこと、まだ迎えないこと、好きなものを好きなままでいるということは、奇跡だと思う。わたしはそのことがすごく嬉しいし、とても愛しく思う。涙が出るほどに、大切だと思う。
一瞬一瞬のあなたを愛してる。
毎日死んで毎日生き返る、その瞬間のあなたを、たったいま呼吸をしているあなたを、愛しいと思う。

この瞬間のわたしがこの瞬間のあなたに出会う。
それは奇跡だと思う。

三角みづ紀ユニット初アルバム発売記念ライブ@APIA40

監禁されている夏です。わたしは社会に監禁されています。そんな夏です。そんな夏ですが、三角みづ紀さんのライブがあるので、あらゆる監視の目をかいくぐり、わたしは学芸大学駅へゆきました。学芸大学駅は、しばらくこない間に、立派な東急ストアができていて、まるで学芸大学駅ではないようでした。しかし改札を抜けて駅の横の道を歩き出すと、やっぱりさびれた薄暗い、学芸大学駅だったので、わたしは安心をしました。安心をしたまま、まっすぐと歩いて、アピアの階段を下りました。ドアを開けました。ドアを開けましたら、あまりにも大勢のにんげんたちがいたので、わたしは果たしてやってくる場所を間違えただろうかと、戸惑いました。しかし間違えているわけなどないのでした。桜井さんが来ているはずなので探してみたのですが、まったく見つからない程度には、にんげんがたくさんで混み合っていました。一分くらい探したら、桜井さんを発見することができました。隣に座りました。禁煙中だといっていたので、煙草をすすめました。

最初に映画の上映があったのですが、わたしには映画に見えませんでした。あれは詩でした。映像の手法をとっていましたが、詩でした。映画ではなくて、詩集でした。わたしはもともと、白線の内側までお下がりください、がとても好きなので、だからかもしれませんが、それに、わたしはもともと、女の子の出てくる映像が大好きなので、だからかもしれませんが、白線の内側までお下がりください、がとてもきれいで好きだなと、おもいました。女の子がふたり、手をつないで座り、込んでいるところをみたとき、あ・ひなぎくだな、とおもいました。たぶんちがうのだけれど、わたしの中では、女の子がふたりで、並んで足を投げ出して、座っていると、なんだかもうそれは、ひなぎく的に解釈されてしまうのです。たまご。
でも映像は白線の内側までお下がりくださいがすごく好きだなって、あとその子らが屋上でぴょんぴょんしているところもすごく好きだなって、おもったくらいで、他はあんまり好きだなとはおもいませんでした。映像よりも言葉の方が強いように見えました。

次に音楽の第一部がありました。フルートやサックスと一緒に歌が歌われました。レアな編成だったのでレアだなとおもいました。音が散漫なようにおもえました。煙草を吸いました。

休憩を挟んで、音楽の第二部がありました。九人編成でした。曲順なんて覚えていませんが、「汗とか命とかきもちわるい」と喋った三角さんの声を聞けて、いきなりざっくりしたことなら覚えています。たくさん曲をやりました。第一部はぽふんとしていましたが、第二部はわたしすごく好きでした。ばこんばこんいっていました。音楽がすごいなんて、きっと誰も知っているのに、音楽がすごいということを、こうやって改めておもいしるとき、なんでわたしは毎回、いちいち驚愕できるのだろうと、それがいつも不思議です。
わたしはやっぱり、ギターと、パーカッションと、ベースが、いる三角さんの音楽が好きです。
いろいろかっこうよかったのですが、曲名がわからないし、記憶があいまいなので、なにも言えません。いろいろかっこうよかったです。ドキドキして、ゆらゆらしながら聞いていました。なんとなくずっと、うふふと笑っていました。息の上がる感じ。すてきでした。

CDが売られていました。買いました。まだ聞いていません。きょう再びわたしは監禁されるので、監禁されたら、監禁されている場所で、聞きます。ヘッドフォンで。

監禁されている夏です。
八月三十六日です。九月がまだ来ません。

酒井幸菜「難聴のパール」@横浜創造都市センター

久しぶりにブログにアクセスしたらゆひらさんからコメントをもらっていたので、嬉しくおもって、ブログもわるくないな、とおもった。

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20100619sat | 酒井幸菜「難聴のパール」@横浜創造都市センター
あたしは神奈川県民だけれど神奈川県民だからといって横浜に詳しいわけでは全然なく、それでもかろうじて横浜駅の周辺ならば活動圏内なのだけれどみなとみらいなんて観光地のことはさっぱりわからない知らない。でも横浜創造都市センターなんてふしぎな名前の場所でかわいい女の子が踊るらしくしかもその横浜創造都市センターはランドマークタワーなんてこわい観光スポットの近くにあるらしいからもうあたしは踊る女の子を見るために生きているのだしこれは致し方ない観光地行くしかないよねということで全然知らない桜木町駅に行った。桜木町駅は横浜駅から歩いたら二十分くらいかかるけれど電車だと五分くらいだから電車ってすごいなあとおもった。電車すごい。この日の二日前あたしは桜井さんに「二時二十分桜木町」と指示されていたので犬のように従って、しかもあたしただの犬でなく賢い犬だったのでぎりぎりに行くなどということはせず七分前の二時十三分に桜木町駅改札前に到着し、て、待ち伏せて待ち伏せてやってきた桜井さんに「あたしは五分前精神の賢い犬!」と叫ぼうとしたのにも関わらず桜井さんはなんだかもうふつうにすとっといたのであたしはやっぱりただの犬だった。なんということでしょうファック。嘘だよ。
あたしは酒井幸菜さんを見たことがなくて、知らないし、とりあえず桜井さんが「かわいい」「かわいい」「かわいい」「とりあえずかわいい」と絶賛していることくらいしか知らなくて、「そうかかわいいのか」程度の予想をしてある程度の「かわいさ」に対しては耐性のある態勢(おもしろいジョークです!)で見に行ったのだけれど、あたしがこの日目撃した酒井幸菜さんは想像を絶する「かわいさ」だったのであたしは目から耳から口からたまごをまき散らしながら「かわいい!」と絶賛するしかなかった。かわいい。
そんなふざけた感想はふざけているのでどうでもいいのだけれど、「難聴のパール」はとてもすばらしかった。なにしろ「難聴のパール」だもの、「難聴のパール」、名前からして「難聴のパール」だから、それはもはや「難聴のパール」だった。タイトルのうつくしさにぼんやりとした。踊る場所には女の子が五人と男の子がひとりいて、女の子三人がよく踊っていて、女の子ひとりと男の子ひとりもわりと踊っていて、女の子ひとりはチョークをずるずるしていた。たまに朗読もした。お皿を取り合ったり腕をふしぎにかくかく回して踊ったりぶんぶん走り回ったり、いろいろ、していた。それは音楽と一緒だったり、無音と一緒だったり、鋏やメトロノームと一緒だったり、したけれど、いずれにしても踊りには違いなかった。踊りはあるいは、骨であり肉であり心臓だった。
あたしがこの日すごく好きだなっておもったのは、なんだかよくわからないけれどみんなするする動いていて、止まっているように見えてもふと気がつくといつの間にか形が変わっていたりして、つまりあたしたち観客の意識の間隙をぬって常にどこかでそれらは死角でするする動いていて止まらず、たとえば六人いる踊り子さんたちのうち五人が座り込んでいてただひとりがふしぎな動きをしていてそのひとをじっと見ているといつの間にか他の五人の形や位置が変わっているということが頻繁に起こっていて、それはなんだか軽く騙されているよう、曖昧で、つまり絵画に似ていた。でもやっぱりするする動いているものだから絵画ではなくて、ということはやっぱりこれは踊りなのか、と踊りについて感想をもった。踊りに、踊りだ、という感想を持てることがあたしは、好きだな、とおもう。もうひとつ好きだなっておもったのは、踊っているひとたちは絶えず近づいたり離れたり追いかけたり追いかけられたりを繰り返していて、でも、決して、向き合わないところが好きって好きだなって好きなんだなってあたしおもった。女の子と男の子がひとつの柱のまわりでくるくると追いかけっこをしたりしても、すぐにするりと離れていってしまって、無関係、なにごともなかったのようにそれらは分離してしまう。それはたとえば六種類の液体があって、それらはたまに他の液体と混ざり合い一時的に五種類となったり四種類となったりする、のに、どうしてだか絶対にそのままにはならずまたふたたび六種類の液体に戻ってしまう、というような実験だった。彼らは形状記憶だった。自分の表面を忘れることができないみたいに元通りに戻ってしまった。いつも。ふたり以上の踊り子さんが絡んでいるときはほんとうにそのふたりの皮膚が癒着してこれはふたりじゃないなひとりだな、ひとりというか、ひとつの物体だな、そのように感じるのだけれど、でもどうしてだかそのひとつの物体はすぐにふたりに分離してしまうのだそれは不思議なことだどうしてなんだろう。そんなことを考えていた。踊り子は、踊り子と一緒に踊って、たとえば正面に立ったり、寝転んだり、触れあったり、引っ張ったり押さえたりいろいろしていたのだけれどでもそれらの行動を行っている行われている二者があたしにはどうしても無関係にしか見えなかった。男の子は女の子を追いかけていたけれども男の子にとって女の子がなにか意味のあるものだとは思えなくて、女の子にとって男の子は追いかけてくるのだから驚異であるはずなのにしかしそこにはやはり関係性がまるでないように見えて眩暈ばかりしていた。あたしは椅子に座ってたくさんたっている柱やシャンデリアや複雑な模様の刻まれた天井なんかに取り囲まれてまったく無関係に踊っている個々の六人や個々の五人や個々の四人や個々の三人や個々のふたりや個々のひとり、を、呆然として見ていた。でもあたしが見ているものもあたしとは無関係なのかもしれず、もしかしたら、見てもいないのかもしれなかった。ぜんぶ嘘だったのかもしれなかった。横浜創造都市センターの1Fホールは、神殿とか、なんかそういうものみたいに立派な建物で、そして客席は踊られている場所からあまりにも近すぎて、全体を見渡すことはできず、だから上に書いたみたいにじっとひとりを見ていたら他がすっかり様変わりしてしまうというような意識の間隙も、生まれて、なんだかひどく不安定だった。不安定に薄暗くうつくしかった。深く青めいていたり軽薄な白に照らされていたり、いろんな照明にいろんな色を与えられながら、踊っているひとたちを眺めて、その間中あたしは、関係性っていったいなんなんだろうとおもっていた。関係するって、いったいどういうことなんだろう。関係しないって、いったいどういうことなんだろう。関係しないということは、関係しないという形で関係していることだろうか。しかし関係しないという形で生まれた関係は、関係しないのだからやはり関係していないのかもしれない。そんな言葉遊びをしていた。柱の合間と意識の合間を縫って個々の何人かが踊っていた。部屋はだいたい薄暗かった。

チョークをひきずって歩いていた女の子が、「ポッカリ月がでましたら、舟を浮かべて出掛けませう、」と朗読していたのを思い出す。聞いたことがあるなと思ったら中也の湖上だ。ポッカリ月が出ましたら、舟を浮かべて出掛けませう、波はヒタヒタ打つでせう、風も少しはあるでせう。チョークをひきずって歩いていた女の子は、長い棒の先にチョークをつけていて、それをずるずるひきずって歩いていた。歩き回っていた。椅子の上に膝を抱えて座ったり、男の子の膝に頭を乗せて寝転んだりした。蝋燭を持って歩きもした。
あたしにはあの女の子が船頭に見えた。あの女の子は、ぽっかり月の浮かぶころ、湖の上、舟を浮かべて、出掛けていってしまうのだとおもった。そして他の五人は、個々の五人として、まるで関係なく湖で踊るのだろう。難聴で、音は茫洋としていて、関係があるのかないのかもわからず、おそらくは曖昧に。

つまりなにが言いたいのかというと創造都市センターはなんだか神殿というか、なんかそういう系の荘厳な建物だったので創造都市センターという恥ずかしい名前でも恥ずかしくないねっておもったよっていうことだよ。
ちなみに難聴のパールすごくおもしろかったので日曜日も当日券で見た。おもしろかった。

 *

難聴になったあと桜木町駅へとってかえして「八帖帳の犬」の藤野さんにお会いした。藤野さんは改札の前で電話をしながら、五百ミリパックのお茶を飲みながら、立っていた。ストローの飲み口ががじがじされていて、ぺたんこだった。桜井さんが、「藤野さん」と藤野さんを示して言い、「管城さん」とあたしを示して言った。知ってるとおもった。知ってるというか、知ることになるというか、そうだと予測がつくというか、紹介してくれてありがとうとおもった。藤野さんは長い花柄のスカートをはいていて、おばあちゃんが編んでくれた嘘の茶色いものを羽織っていて、髪の毛が黒で、肩の上まであった。文体とかブログ上でのキャラとかなんかもうどうでもいいんですけどとにかくかわいかったのでここにかわいかったと熱烈に記載することでかわいかったことをかわいく主張するとともにかわいさを讃えたいとおもいますちょうかわいいやばい。やばい藤野さんかわいい。肌が白くて目がきれいに二重で鼻筋がすうととおっていて他にもなんかいろいろ描写したいのですがこれ以上書いたらへんたいのそしりを免れないのでやめておきます。あたしへんたいじゃない。藤野さんは美少女。サブリミナル的にくりかえし書いていきます。
ごはんをたべるところを、みなとみらいでなんて知らないので、とりあえずこわい観光スポットであるランドマークタワーへ向かった。こわい観光スポットであるランドマークタワーならば、たとえこわくても、ごはんをたべるところがあるはずだった。ランドマークタワーはどのようにこわいかというと、てっぺんに常にゴルゴがいます。超こわい。
藤野さんは「ランドマークタワーってこういう大道芸のひとがいるところですよね」と言いながらふしぎな動きをしていて、まったく理解できなかった。あたしは、藤野さんは美少女だけどよくわからないよ、まさかのブログ通りのひとたよ、いみふ、と警戒をした。桜井さんはその暗号を解読して、あたしにもう少しかみ砕いた感じで教えてくれたから、よかった。わかった。桜井さんがこの世に存在してくれていてよかったなあとおもった。
そしてランドマークタワーのレストラン一覧の前であたしたちは立ち尽くした。数が多すぎてよくわからなかったし、全員優柔不断だから選べなかった。少年が近くをうろうろして、さまざまなものを指さす遊びをしていたので、あたしたちは少年が指し示したお店に入ることにした。全員優柔不断だった。少年の指先はふらふらしていたので「いやいや少年選ばねーよ」とあたしは思っていたのだけれど、結局少年はひとつのお店を指し示したので、あたしのその考えは嘘だった。××らーというお店だったので、藤野さんが前半の「××」を覚えて、あたしが「らー」を覚えた。この作戦は抜群にすばらしかった。四文字なら忘れてしまうかもしれないけれど、二文字ならぜったいに忘れないからだ。そんなの当然のことだ。その証拠にあたしは「××」の部分がなんだったかもう忘れちゃったけれど「らー」はまだ覚えてる。「らー」。
「××」「らー」「××」「らー」と言いながら歩いていたら、桜井さんに「ずっとそうやって歩くの…?」とそうとう気持ちの悪いものを見た目で見られた。かなしかった。「そのうちまんじゅうこわいになります」と言ってやったら「へえ」とすごく蔑んだ目で見られた。ちょっとときめいた。
ちなみに××らーはお肉の値段がふつうに三千円とかする高いお店だったので入らなかった。
桜井さんが「おれはこのお店じゃないといやだこのおみせじゃないとゴルゴに依頼をしてねこをころしてやる逆立ちをしながら全力で山下公園をかけぬけてやる煙草をやめるやめます」と自然食バイキング的なお店の前で言ったのでそこに入った。もちろんいろいろ嘘です。藤野さんはしきりに「バイキング…海賊…バイキング…海賊…」と言っていたけれど、あたしは空気を読めるしひとにたいして思いやりの心を持っているので「日本ではブッフェスタイルのお食事のことをバイキングと呼ぶんですよ」というすばらしく高度な知識を見せびらかしたりはしなかった。桜井さんはふつうにごはんをたべていて、あたしはじゃっかん多めにごはんをたべていて、藤野さんはグラノーラにきなこをかけて「喉が渇きます」と言いながらたべていた。パンをスプーンにつきさしてたべたりしていた。おそるべきことに、話題作りやネタでやっているわけでなく、ごく当然のこととして彼女はそれらのことをおこなっていた。藤野さんは美少女なので、藤野さんがごく当然のこととしてそれらのことをおこなうとなんだか周りもそれをごく当然のこととして受け入れなければならないという錯覚につつみこまれてしまってあたしはなにも言えなかった、でも桜井さんがつっこんだ。空気読めない。てゆうかあたしは藤野さんの隣に座っていたので桜井さんが指摘するまで藤野さんがパンをスプーンにつきさしてたべていることに気がつかなかった。え?

別料金でお酒を頼むことができたけれど、あたしはお酒なんかたいして好きではないので、頼まなかった。べつに別料金だったからとか、心惹かれるラインナップでなかったからとか、そういうことはぜんぜん関係ありません。ほんとうだよ。

ごはんをたべたあとは桜木町駅にくっついているなんかよくわかんないコーヒーとパイを売っているニューヨークでコーヒーを飲んだ。あたしは桜木町にニューヨークがあるなんて知らなかった。やっぱり観光地はこわい。あたしと藤野さんはコーヒーを飲んだ。コーヒーの味がした。桜井さんはレモンティーを飲んでいたけれど、「すっぱい」と言っていた。そんなのあたりまえですとおもった。でもかわいそうだから言わなかった。主に手のはなしをしていた気がする。でもだいたいぜんぶ覚えていない。とりあえずてのひらを左右一緒に見ると「あれこれは反対だよ」とおもうことがわかった。すごく不自然できもちわるい。きりとってつけかえないといけない気がした。でもそんなことはしない。
藤野さんは美少女だけれど、携帯電話がおかしかった。彼女は携帯電話の電池パックを外せなかった。桜井さんは外せた。すごい特殊技能だから、それで就職できるとおもう。でも桜井さんはもう就職してしまったから、そんなの意味がなかった。
あたしはこの日、一週間後に単身赴任する父を見送りに千葉へ行くことにしていたので、アクアラインを走るバスに乗るため早めに彼らと別れた。彼らはあたしを改札口に放り込んでどこかへいなくなった。あたしは電車で五分かけて横浜駅へ行き、そごうの裏側からアクアラインを走るバスに乗った。アクアラインを走るバスは、アクアラインへ向かうために、まずは川崎へと向かった。アクアラインを走るバスは、京浜工業地帯を、適切な速度ですりぬけるので、あたしはそれがいつもとても好きだ。工業地帯、きらきらと人工物で、ごつごつしていてかわいげがなく、うつくしくて、そしてその隙間を地面の上にぴったりとあるわけじゃない妙に立体的で不自然な道路の上を、にんげんじゃない不自然な箱に収められて突き抜けてゆく、その行為はとてもにんげんで、だからあたしはそれがいつも好きだ。工業地帯をすりぬけて、アクアラインに乗ると、たとえば港や、工場やビルの、すべてのひかりが星のように、まっくろくてなにも見えない底抜けの海が宇宙のように、みえて、なんだか軽く飛んでいるような気分になった。明滅しているいくつかのひかりが、近くにいたらきれいでもなんでもなく、愛せもしないのに、離れればうつくしくみえることが、とてもふしぎだった。夜に潜行するみたいに、車はぶんぶん走った。あたしは関係性とてのひらについて考えていた。

夜更けに実家についた。父と母と兄と話した。シャワーを浴びて本を読んで少し寝て神奈川へ帰った。実家には十二時間ほどいた。父がおみやげに自家製のベーコンの燻製を持たせてくれた。あたしは横浜でもういちど「難聴のパール」を見て、古着屋で服をいくつか買って、帰宅した。
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